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ブログ 2024.06.26
小さな農家はどうやったら大手メーカーに勝てるのか
こんにちは。農業パーソナルトレナーの山下弘幸(やましたひろゆき)です。
現在、農業講演家として全国の各農業団体で講演、セミナー研修など行っています。
農業歴35年。親もと就農から農業コンサルタントに転身し、
新規農業者、若手農業者、企業農業参入などサポートするために
”稼げる農業を実現する半歩先行く農業者”のオンラインコミュニティ
農業ビジネススクール(農ビジ会)を主催。
また、定期的に更新しているyoutube(農テラスチャンネル)では
全国の農業者へ「農業経営・農業ビジネス」の最新情報をお届けしています。
さて、今回の山下弘幸農ビジコラムテーマは
「小さな農家はどうやったら大手メーカーに勝てるのか」
6月20日、“日本の食品”輸出EXPOに行ってきました。
会場は東京ビックサイト。
海外の販路開拓に直結する食品輸出最大級の展示会です。
農畜産物・水産物から、飲料・調味料・加工食品まで、
世界に誇る“日本の食品”が一堂に出展。
世界80ヶ国から来場する食品バイヤー・国内の食品輸出商などが集まるので
毎年ワクワクしながら参加しています。
今回は茨城、広島、鹿児島の農テラスメンバーも一緒に見て回りました。
会場が広いので次のようなブースが分けられています。
農産物、水産物、農畜産物
他にも加工食品、日本茶、ドリンク、酒、調味料、菓子類など。
そして今年は
健康美容食品やビーガンフードなども新たにカテゴリーができていました。
これも新しいトレンドですね。
会場では有名な大手メーカーがメインブースを牛耳っていたのですが、
中には農家が個別で出展している方も。
和歌山のミカン農家、愛知の生姜農家、山梨のトマト農家。3件
輸出しようと頑張る農家はたったの3件。
自社農産物を輸出できたらいいなーって言う農家は多いけど、
実際に行動する農家は意外と少ないのが現実のようです。
そこで今回は小さな農家の輸出法。
小さな農家はどうやったら大手メーカーに勝てるのか?についてお話ししたいと思います。
小が大に勝つには「ランチェスター法則」
個人の農家が大手メーカーに挑む際、ランチェスター戦略を活用することで
効果的な競争戦略を立てることができます。
以下に、具体的なアプローチを示します。
【ランチェスター第一法則】
1、ニッチ市場の開拓
地元でしか生産できない特産品や独自の農法、有機野菜、希少な品種を強調するのではなく
ビーガン、ハラール特定の消費者層への訴求する商品を開発しその市場に集中する方が良いですね。オーガニックは割とフツーになってきていますので差別化や訴求効果は弱いように感じました。
2、独自のプロモーション
これはSNSを活用した戦略です。
海外の人は日本人以上にSNS情報に敏感です。
自分たちの農業のストーリーやこだわりをSNSで発信することで、消費者との直接的なつながりを築けます。もちろん食品や農業に関心のあるインフルエンサーと協力し、
商品を紹介してもらうことは重要です。
国内で流行っているインスタを頑張るのも良いですが、
中国版Instagram「小紅書(Red book)」や「中国版twitter」とも呼ばれているWeibo(微博・ウェイボー)で農産物の特徴や効能を紹介するブログや動画を作成し、商品の魅力を伝えるのが効果的です。
※8月の農ビジセミナーでは中国系インフルエンサーをゲスト講師に招いて詳しい話しをお伝えする予定です。
ところで、私たち生産者はついつい高品質な農産物を作ろうとしますが、
3、それより大事なのは他の製品との差別化。
パッケージングとブランディングです。見た目や包装に工夫を凝らし、プレミアム感を出すことで、高額商品を手にしてくれる層にいかに訴求できるかを追求することを怠ってはいけないのです。
【ランチェスター第二法則】
地域の支援を得ることで、競争力を強化する戦略です
1,自治体の支援を活用: 自治体の支援を受けることで、プロモーション活動や輸送コストの削減を図ることが出来ます。また、自治体のブースに共同出展することで、信頼性を高めることもできます。
2,地域ブランドの構築: 地域全体でブランドを構築し、地域名を前面に押し出したプロモーションを行うことで、個々の農家の認知度を高めることも可能に。
今回自治体単位で出展していたのは「茨城」「新潟」「鳥取」「島根」「三重」の5自治体のみ。
さすがですね。
- 本来なら農協などの協同組合など共同体の力を活用して、大手に対抗するのがベストです。
複数の農家が協力して、展示会に出展したり、共同のプロモーション活動を行ったりすることで、規模の経済を活かし、競争力を高めたり、資材や技術、知識を共有でき、コストを削減し、効率を高めることが可能になります。
全国醤油工業協同組合連合会や全国味噌工業協同組合連合会は
毎年出展しており、積極的に日本ブランドを売り込んでいいます。
ただ、残念ながら、農協・JA諸団体は1社も出店していませんでした。
【まとめ】
飽和、縮小が始まっている日本市場に気がついているけど動けない
膨れ上がるアジア市場がチャンスだと気が付いているけど動けない
今回は小さな農家はどうやったら大手メーカーに勝てるのか?について書きましたが
その答えは「行動」に移すだけでいいようです。
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