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ブログ 2024.05.21
農業ビジネスとそうでない農業の違い
こんにちは。農業講演家の山下弘幸(やましたひろゆき)です。
農業歴35年の農業コンサルタントです。現在、講演、講座、研修、セミナーなどで
新規農業者、若手農業者、企業農業参入などをサポートさせていただいていております。
また、”稼げる農業を実現する半歩先行く農業者”のオンラインコミュニティ
農業ビジネススクール(農ビジ会)やyoutube(農テラスチャンネル)などで
全国農業者へ農業経営・農業ビジネスの最新情報をお届けしています。
さて、今回の山下弘幸農ビジコラムテーマは
「農業ビジネスとそうでない農業の違い」について
解説しようと思います。
今回の話は自分が今やっている農業が本当にこのままでいいの?って
迷いながら農業をやっている人に読んでいただきたい内容になっています。
さて、私が今回のJAGRI九州のセミナーで
なぜ?このテーマを選んだかといいうと
農業が「ビジネス」に変わったということの意味を伝えたかったからです。
いやいや、農業を「ビジネス」としてひとくくりにするのは
いかがなものかな~。
そう思われる方もいらっしゃると思います。
もっと丁寧に言えば
ビジネス化した農業と
そうでない農業がある。ということなんです。
つまり農業が2極化しているということ。
結論を言えば、どっちが正しいわけではありません。
ですから農業者の皆さんは
どっちが楽しいか。
どっちが自分に合っているかで決めてもらえばよいと思います。
ただ、やってはいけないのは互いの農業を否定すること。
これを踏まえて「農業ビジネス」の話をすすめさせてください。
私は農業がこれから発展していく上で「農業のビジネス化」は不可欠であるという
思想を持っています。
理由は大きく以下の4つあります
- 目的 ② 課題 ③ 対策 ④ テーマ
【目的】
まず目的ですが農業者の目的は自己実現です。
これは農業者のみならず大概の方が自分の理想する未来に向かって生きています。
ただ、農業の場合はその自己実現を達成する上で
とにかく「不確定要素」が多すぎるということ
例えば「生産」が安定しない、「販売」価格が安定しない。だから「売上」が安定しない。
結果、経営が安定しないので精神状態も安定しないということになりがちです。
【課題】
そこで2つめの課題を整理しましょう。
生産が安定しないのは温暖化や気候変動、気象条件などありますが
これらは他の業種にも言えることですのでここでは省きます
生産の安定の課題は「データー不足」です
記録を取ることが苦手な農家はすべてが頭の中で処理されます。
これでは生産の安定は難しい。
また、肉体労働が大半を占める農作業で「人手不足」が死活問題となっています。
また、販売価格の安定や売上の安定に関しては
「情報不足」が大きなウエートを占めています。
マーケットと農家の距離が遠かった農業現場にはお客様のニーズ(情報)が届きにくかったのです。
そして経営が不安定となる理由は
「時間不足」。これはゆっくり経営戦略を考えたり、経営データーと向き合う時間を
取れないことが大きな要因だと思います。
私の農業人生を振り返っても
このデーター不足、人材不足、情報不足、時間不足が足かせになっていました。
では、いよいよここからが本題ですが、
これら農業の課題を解決出来る「対策」は何をすればよいのでしょうか?
【対策】
データー不足の対策は「データー化」つまり「記録を取る」と言うこと。
もちろんこのご時世ですのでデジタルでの記録が必須です。
次に人材不足の対策ですが「自動化・無人化」するため、人の手足の代わりになる
機器やロボット、テクノロジーが必要となります。
これらはよくスマート農業の代名詞みたいに使われますが、
あくまで生産現場の人材不足を補うための部分最適化にすぎません。
次に「情報不足」の対策について、これは「価値化」です。
モノではなく「価値」を生み出す必要性に気づかなければなりません。
実は、この「価値化」がビジネスと大きくリンクしてきます。
ビジネス化した農業とビジネス化していない農業の
大きな違いは
取引「相手」と直接つながっているかどうか?です
その相手があなたの「価値」を見極めます。
取引相手と繋がっている農家はその相手があなたの価値を評価します。
相手が高く評価してくれれば農家の業績はぐんぐん伸びるはずです。
一方、相手と直接つながっていない場合は
とりあえず作ってから「オークション」にかけます。
たまたま評価がいい場合もありますが
評価が低いと売上が下がり生活が苦しくなるリスクと背中合わせ。
最後に時間不足の対策は「視える化・可視化」
時間は有限ですので結果、誰かに仕事を頼まないと時間は増えません。
しかし、頼んだ相手の仕事が進まないと
更にあなたの時間が奪われることになりかねません。
ここで大事なポイントは「きちんとわかるように伝える」ということです。
相手の立場になって「相手がわかる」状態を作るのです。
余談ですが、今話題のchatGPTもプロンプトが明確であればあるほど
こちらの意図する答えが返ってきます。
つまり、時間不足を解消するには
丁寧にわかりやすくかみ砕いて指示を出す。可視化してあげることが重要なんです。
そう言っておきながら、今回はちょっとわかりにくかったかもしれません。
【テーマ】
このような背景からテーマを「農業ビジネスは最強」としました。
特に農業をビジネス化した農家は他業とのコラボや連携で更に農業ビジネスを進化させています。
農業とは「農業だけで完結すべき」「農業だけで食べていけるのが正解」としてしまえば
今回提示した4つの課題(データー不足・人材不足・情報不足・時間不足)を改善するための
4つの対策(データー化、自動化・価値化・可視化)が打てません。
今、先端を走っている農家は
この4つの課題と上手に向き合って、上手に対策を練っています。
私はこれらを「農業ビジネス」と呼んでいます。
2極化している農業業界
結論は、どっちが正しいわけではありません。
ですから農業者の皆さんは
どっちが楽しいか。
どっちが自分に合っているかで決めてもらえばよいと思います。
ということで最後のまとめです。
やってはいけないのは互いの農業を否定すること。
やらなきゃいけないのは
「農業ビジネス」に挑戦すること
これが農業界を明るく照らすために私が実践している
取り組みです。
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山下弘幸ヒストリー① 卑屈な幼少時代
https://notera.co.jp/news/3158/
山下弘幸ヒストリー② 親との確執
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