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ブログ 2026.08.21
売上2000万農業の家族収入はいくら?
売上2000万円の農家と、売上1000万円の農家。どちらの家計が豊かか。
こんにちは。脳を耕す農業コンサルタントの山下弘幸です。
答えは、売上だけでは決まらない。実際に数字を分解していくと、売上2000万円でも家族の手取りが300万円台にとどまるケースがある一方、売上1000万円台でもしっかり利益を残している経営もある。
経営を「ロールプレイングゲーム」として眺めてみる
経営には、レベルやステージがある。今のフェーズをクリアすれば、次のステージが見えてくる。そう捉えると、数字と向き合う作業も少し軽くなる。
今回のテーマは、そのステージのひとつ「数字に強くなる扉」。
売上と利益、どちらを見ているか
結果を評価するとき、多くの目が売上に向く。だが経営者が本当に見るべきは利益、いわゆる農業所得のほうだ。
売上1000万円は、まるごと収入ではない。そこから経費を引いて残った額が、実際に手元に入る所得になる。売上1000万円で経費が700万円なら、所得は300万円。この違いに気づくと、見える景色が変わってくる。
1000円単位で数字を見るとわかること
経営者やベテランの税理士は、金額を1000円単位で扱うことが多い。1000万円は「1万」、600万円は「6000」。最初は見づらく感じるかもしれないが、これは扱う金額が大きくなっていくことへの慣らしでもある。
売上2000万円の農家を、この単位で分解してみる。
【図解1】

生産費600万円、販管費600万円、借入返済150万円。ここまでは経費として引かれる。残るのは従業員給料100万円、パートナーの給料150万円、自分の給料350万円、そして会社に残る営業利益50万円。
家族収入という物差し
自分の給料と会社の営業利益を合算して「今年は400万円残った」と語る農家は多い。だが、この2つは分けて考えたほうがいい。自分の給料からは税金や社会保険が引かれ、手取りはさらに減っていく。
一方で、注目したいのが「家族収入」という物差しだ。自分の給料350万円とパートナーの給料150万円を足すと、家族収入は500万円。
もし従業員の分の給料100万円が、実は家族(両親など)に渡っているものだとしたら、家族収入は600万円になる。さらに借入返済150万円が終わっていれば、家族収入は800万円に届く。
同じ売上でも、経費の中身と誰にお金が渡っているかで、家族の手取りは大きく変わってくる。
4000万円モデルで見えてくる景色
売上規模を4000万円まで広げたケースも見てみる。
【図解2】

生産費1200万円、販管費1200万円、借入返済200万円、従業員(またはパート)250万円、自分の給料600万円、営業利益350万円。この場合の家族収入は800万円。
従業員の分が家族への支払いだったなら、家族収入は1050万円。借入返済が終わっていれば、1250万円まで伸びる。売上4000万円の農業経営で、家族収入1250万円という景色は、決して珍しい話ではない。
これまで600件を超える経営相談に関わってきた中で、売上規模が同じでも家族収入に何百万円もの差が出ているケースを何度も見てきた。差を分けているのは、売上の大きさよりも、経費の中身をどこまで把握しているかだった。
数字が苦手、を突破する武器
「数字は苦手」という意識そのものが、経営というゲームの中では向き合う相手になる。
売上と経費の中身がわかってくると、コストへの意識が自然と芽生える。コストが下がれば、その分だけ家族の所得は上がっていく。数字を分解する視点は、いわばコストを断ち切るための武器になる。
農テラスでは、こうした数字の分解を農家一戸一戸の実情に合わせて一緒に整理している。自分の経営が今どのステージにいるのか気になった方はお声かけ下さい。一緒に脳を耕しましょう!