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ブログ 2026.08.20
農家の8割がハマる「結果思考」の壁、儲かる2割の逆算思考とは
農業経営を7つのステージに分けて見ていくと、最初に立ちはだかるのが「経営者になる扉」でした。この扉の向こうにあったのは、営農と経営、この2つの頭の使い方の違いです。
こんにちは。脳を耕す農業講演家の山下弘幸です。
全国でセミナーや講演をしていると、農業経営の話をする時に必ず聞くことがあります。
「売上が決まった後に、いくら残ったか計算していますか? それとも、残したい金額を先に決めていますか?」
この質問を投げかけると、面白いことに答えがくっきり2つに分かれます。約8割の方が前者、そして残りの2割が後者です。この比率、講演先が変わってもほとんど変わりません。
「営農型」と「経営型」、頭の使い方が違う
農業を「営農」としてやるか、「経営」としてやるかで、お金の残り方が変わってくることに気づいたのは、この2つの思考パターンを何百件と見てきた中でのことでした。
営農型は、単価×出荷量で売上を追いかけます。10a あたり500kg取ろう、そのために経費もかけよう。そうやって量を積み上げた結果、確定申告をしてはじめて「今年はこれだけ残った」とわかる。これが結果思考です。
一方の経営型は順番が逆です。「今年は絶対にこれだけ残す」という金額を先に決めて、そこから売上と経費の計画を逆算していきます。
【図解1】

営農型が悪いわけではありません。相場が良ければ結果的に大きく残ることもあります。ただ、相場任せ・天候任せの側面が強くなるぶん、年によってブレが大きくなりやすいこともわかってきました。
農業経営方程式で見えてくること
売上=単価×出荷量。ここから経費を引いた残りが利益になる。この式自体はシンプルです。
営農型は、この式の「単価×出荷量」から考え始めます。経営型は、「利益」から逆算して、単価と出荷量、経費の目標値を決めていきます。同じ式でも、どこからスタートするかで農業経営の景色がまったく違って見えてきます。
1パック10円から始まった逆算経営
この逆算思考、実際にどう使うのか。私自身、ほうれん草の出荷でこんな決め方をしていた時期があります。
「1日1万円残したい」。そう決めてから、1パックあたり10円残すことをルールにしました。そうすると、必要な作業量が自動的に見えてきます。1日1,000パック作業すれば、10円×1,000パックで1日1万円になる。
【図解2】

先に単価や出荷量の目標を立てていたら、たぶんここまでシンプルにはならなかったと思います。「1パック10円残す」という小さな逆算から、1日の作業量が具体的な数字として見えてきた。この経験が、経営型の思考を体に染み込ませるきっかけになりました。
結果思考にハマりやすい理由
農業という仕事は、どれだけ取れたか、いくらで売れたかがはっきり数字に出るぶん、結果を追いかけること自体がとても面白いという性質があります。これは決して悪いことではなく、農業の醍醐味のひとつだと思います。
ただ、この「結果を追う面白さ」に意識が向きすぎると、気づかないうちに営農型の頭に寄っていくことがあるようです。8割という比率は、この面白さの強さを表しているのかもしれません。
3,000件を超える経営相談を見てきた中でも、この比率はほとんど変わりませんでした。営農型から経営型に頭を切り替えたタイミングで、残るお金が安定し始めたという声を何度も聞いています。
最後に
営農型と経営型、どちらで農業をやっているか。この違いに気づくところから、お金の残り方は変わってくるようです。
農テラスでは、こうした農業経営の考え方について無料相談を行っています。自分の経営がどちらのタイプに近いか、話しながら整理してみたい方はお気軽にご相談ください。また、経営者同士で情報交換したい方には「農ビジ会」というコミュニティもあります。
