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ブログ 2026.06.29
農家が「すごいですね」と言われても、満たされない理由
「すごいですね」と言われても、満たされない理由
いろんな方から
「農業やってるんですね、すごいですね」と
言われることがあります。
正直に言うと、
あまり嬉しくありません。
20歳で就農してから、
何度も同じ言葉をかけられてきました。
「お父さんの跡を継ぐんですね、
すごいですね」
「偉いですね」
正直、偉くはありません。
勉強が苦手で、進学する自信もなかった。
試験を受けずに入れる仕事が、
家の農業だっただけです。
それでも社会は、
食に関わる仕事を評価してくれます。
ちやほやされることもあります。
それでも、満たされない。 なぜでしょうか。
本当に認めてほしいのは、同業者
社会から褒められても響かない理由があります。
農業をやったことがない人に褒められても、
心の底から嬉しくないんです。
本当に認めてほしいのは、
同じ農業をやっている人。
現場で農産物をつくり、
農業経営をしている人からの
「すごいね、頑張ってるね」。
これが欲しい。
だから農家の発信は、
農家向けが多くなります。
同業者のSNSを見ると
「あいつ頑張ってるな」と
刺激を受けます。
時間があれば同業者を見て回ります。
視察です。 異業種には行きません。
農協の出荷部会の総会で
「収量を多かった農家」は表彰される。
そこで自分の優位を示したい。
この心理が、頑張る理由になっています。
その奥にある、本当の気持ち
部会や近隣の同業者に褒めてほしい気持ち。
その根っこにあるのは、家族からの承認です。
父も母も、
自分より先に農業を始めています。
仕事はさばける。要領もいい。
経験もある。
頑張っても、追いつけない。
追い越せない。
スイカ農業をしていた頃、
地這栽培だったので腰を低くかがんで、
しゃがんだまま、アヒル歩きで
芽摘みと玉返し。
担当ハウスは100メートル。
中腰かしゃがんだ姿勢を、
ずっと続けます。
膝も腰もガクガクでした。
それでも父と母は、
ひょいひょいと作業を進める。
「なんだ、お前そのくらいしかできないのか」
と言われるのが嫌で、
必死に食らいつく。
それができたとしても、
当たり前のことだから褒めてもらえません。
「ありがとう」に飢えている
農業は、いろんな意味で
「ありがとう」と言われにくい仕事です。
だから、私たち農業者は
「ありがとう」に飢えています。
少し頑張った時に
「すごい、大したもんだ」と
一言かけられるだけで、どれだけ嬉しいか。
解決策:自分から誰かを認める
認めてほしい。
でも、なかなか認めてもらえない。
認める文化がない業界。
この葛藤は、苦しいものです。
そこで提案です。
あなたが誰かを認めてみませんか。
近所の農家さんでもいい。
同級生でもいい。
親でもいい。
「頑張ってるね」と、
あなたから声をかける。
その人もまた、誰かを認める。
この輪を、農業業界で広げていけたら。
農業はもっと元気になると思います。
私自身、親に認められたい、
地域で認められたい、
出荷部会で認められたい
そうやって走り続けてきました。
しかし、これがしんどい。
正直、疲れます。
モチベーションが下がっても、
その世界からは逃げられない。
ずっと走り続けるしかない。
もしかしたら、
これが農家が減り続ける要因かもしれません
その重さを、
次の世代に背負わせたくありません。
メンタルの強い子は
跡を継いでくれますが、
過当競争を避けたい人は離れていきます。
だからこそ、
認める輪を、今いる私たちから始めたい。
あなたも、頑張っています。
今日も朝早くから動いていたはずです。
考えて、悩んで、進んでいるはずです。
すごいです。
今回は「承認」というテーマで、
農家のお悩みに向き合いました。
個別相談や農ビジ会でも、
こうした悩みに一つずつ向き合っています。