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ブログ 2026.09.24
農業に「引退の日」を決めた理由
62歳で辞めると決めている経営者の話
こんにちは。
脳を耕す農業経営戦略家の山下弘幸です。
農業を始めた日のことは覚えていても、「辞める日」を決めている人には、あまり出会ったことがありません。
私自身、1989年に親元で就農してから、今日までずっと農業に関わってきました。ただ、ずっと同じ立場だったわけではありません。現場で作業する生産者から経営者になり、今はコンサルタントとして教える立場に変わってきました。そんな中で最近わかってきたことがあります。それは、「いつまでやるか」を決めている人ほど、経営の判断がぶれないということです。
27歳の投資と、36歳で見えた区切り
27歳のとき、私は大きな設備投資をしました。支払いが終わったのは36歳。当時は意識していませんでしたが、今振り返ると、この「支払いが終わるタイミング」が、次のフェーズに進む自然な区切りになっていました。
37歳で、私は農業法人の代表という立場でベンチャー企業に飛び込みました。そこでも「5年間」という期間を自分の中で決めていて、その通りに次のステップへ進みました。今の仕事も同じです。62歳で引退すると決めていて、そこから逆算して、この5年間は後継者を育てる期間だと位置づけています。
【図解1】

なぜ「終わり」を決めると規模拡大の判断がしやすくなるのか
規模拡大を考えるとき、「息子や娘が継ぐなら拡大しよう」「継がないなら拡大しない」という判断をする方は多いと思います。ただ、それだけでは足りない部分があるとわかってきました。
自分自身が何歳まで現場に立つのかが決まっていないと、投資の返済計画も立てにくくなります。たとえば55歳で引退したいのに、今から設備投資をして支払いが65歳まで続くとしたら、引退はできません。逆に、支払いが終わるタイミングに合わせて引退時期を設計すれば、無理のない着地ができます。私が27歳の投資を36歳で終える設計にしていたのも、今思えばそういうことだったのだと思います。
20代・30代・40代・50代、それぞれの役割
これはあくまで私個人の経験から見えてきた考え方ですが、農業に関わる年代ごとの役割を、こんな風に捉えるようになりました。
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20代:現場で生産する
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30代:経営者として立つ
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40代:次の担い手を育て始める
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50代:引退に向けて準備する
【図解2】

これは正解というより、私が自分の農業人生を歩んでみて「こういう流れだったのか」と後から気づいた形です。人によって歩み方は違って当然だと思います。
「やめる」を決めていない人が、意外と多い
面白いなと思うのは、農業に関わる方の多くが、実際には「やめるシナリオ」を持っていないということです。体力的にきつくて辞めたい人も、資金繰りが厳しくて辞めざるを得ない人もいるかもしれませんが、自分から「ここまで」と決めている人は少ない印象があります。
農業界全体を見渡すと、辞めることをどこか良くないことのように感じさせる空気があるようにも思います。だからこそ、「引退日」を先に決めてしまうことで、逆に規模拡大も後継者育成も、判断がしやすくなっていくのだと思います。
引退後の話は、意外と誰もしていない
もう一つ気づいたのは、「引退後に何をするか」を考えている人が少ないということです。世界を旅してもいいし、悠々自適に過ごしてもいいし、趣味に没頭してもいい。世の中の他の仕事の人たちは、当たり前のようにそういう選択をしています。農業だけが特別ではないはずです。
62歳で引退すると決めてから、私は今の5年間をどう使うかが、これまで以上にはっきり見えるようになりました。皆さんは、ご自身の「引退日」について、考えたことはありますか。
農業経営についてじっくり話したい方は、無料相談も行っています。同じように農業の未来を考える仲間が集まる「農ビジ会」もありますので、興味のある方はぜひのぞいてみてください。
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