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ブログ 2025.07.31
担い手を増やす「ありがとう」が届く農業
こんにちは。全国で講演、セミナー研修など行っている
農業講演家の山下弘幸(やましたひろゆき)です。
農業歴35年。親元就農後、個人、法人の農業経営を経て
農業コンサルタントに転身し、
現在、新規農業者、若手農業者、企業農業参入支援などをしています。
具体的には、稼げる農業を実現する
”1歩先行く農業者”のオンラインコミュニティ
「農業ビジネススクール(農ビジ会)」を主催し
全国200名の農業者と毎月勉強会や情報交流を行っています。
また、定期的に更新しているyoutube(農テラスチャンネル)では
全国の農業者へ「農業経営・農業ビジネス」の最新情報をお届けしています。
さて、今回の山下弘幸農ビジコラムテーマは
担い手を増やす「ありがとう」が届く農業
農業をやっている人たちは、実は「承認欲求」に飢えているのではないか。
今回はそんな話をしてみたいと思います。
承認欲求が満たされない背景には、大きく2つのポイントがあります。
1つ目:評価がわからない
農業の現場(家族経営)には、会社のように「部長」「課長」といった役職がありません。さらに、プロ野球選手のホームラン数や打率のような、業界の中で自分の立ち位置がわかるような成績指標もありません。
そのため、自分の立ち位置や評価が曖昧になりやすく、承認されている実感を得づらいのです。
中には雑誌などで「農業版ランキング」というものもありますが、必ずしも現場の本当の姿を必ずしも反映しているものではありません。
結果として、農家は「生産量や品質で勝負する」「地域の役職を受ける」といった限られた手段で自分の存在感を出すしかないのが現状なのです。
例えば、自分が属する出荷部会の中で収量や品質を磨くとか、地域の役職を受けるとこで承認欲求を高めることになります。
私もこの二つを一生懸命に求めました。自分の存在意義を確認するために。
生産に没頭し、夜は地域活動に専念し、自らの時間をすべて承認のためにつぎ込みました。おかげ様で地域では指折りの生産者として認められ、PTA会長などいくつもの役職を
兼任することで私は欲求を満たし続けました。しかし、それはあくまでも他人との比較。そのためにそれ以降も毎日背伸びして必死に努力し続けました。
2つ目:ありがとう、が聞こえない
農業で生産された農産物の多くは一次産品です。だから二次・三次産業を通して消費者に届きます。
この構造のため、原材料を作る農家と実際に食べてくれる消費者の距離はとても遠くなります。
結果、消費者の「ありがとう」は直接届きにくく、流通業者や市場からも日常的に
感謝の言葉をかけられることはほとんどありません。
さらに、家族内や地域内でも「ありがとう」を言う、言われる文化が少なく、承認の機会が極端に少ないのです。
背景には○○して当たり前という慣習が根付いているからだと思います。
ちなみに、感謝の反対語は「当たり前」だそうです。
ありがとう、が文化として根付きにくい理由
そして、この環境に長く身をおき続けると、農家自身も「ありがとう、を言わなくなります」。
結果として、自分がいる地域では通用するがその他のビジネスや社会の中では
なんとなく疎外感や孤立感を感じやすくなります。
都市部との格差を感じたり、モラル面、リテラシー面でも「地方は遅れている」と
思う場面があるのも、こうした背景が影響しているかもしれません。
私も30代後半からベンチャー企業へ転職しましたが、その時社内で、
山下は感謝が足りない。と指摘されたのです。
私は感謝しているつもりだったのですが、「ありがとう」という言葉を口にすることが
ほとんどなかったのです。
加えて、農業者には独特の性分があります。
それは「農家以外の人から褒められても、あまり嬉しくない」というもの。
農家あるあるなのですが、農家は
農業現場を理解していない人に褒められても「どうせ分かってないだろう」と思ってしまいがちです。
一方で、農業現場を理解している同業者や仲間からの承認はとても嬉しいものです。
このマインドがあるために、外部からの「ありがとう」や「すごいですね」という言葉が、
承認欲求を十分に満たすところまで届かないという現実もあります。
農家が承認欲求を満たすための最適解
正直、この承認欲求の問題に「正解」はありません。
ただ、最適解を出すとすれば――
農家が直接お客さんとつながること。
消費者やお客さんの顔が見える関係を作ることで、
「ありがとう」の声が届きやすくなり、承認されている実感を持ちやすくなります。
もちろん、ネット販売やYouTube、SNSなど、方法はいろいろあります。
でも、ここであえて具体策には踏み込みません。
最後に、
この承認欲求の課題は、あなたの農業人生の質を大きく左右します。
「あなたはお客さんとつながる努力をしていますか?」
お客様とつながり、「ありがとう」があなたの心に届き始めると
乾いた気持ちが潤いはじめるような体験ができます。
心が潤い始めると
改めて「農業をやっていてよかった」と思えるようになります。
そうなれば、あなたの承認欲求は満たされ充実した農業ライフを送ることが
出来るでしょう。
あなたは無理に認められようと背伸びをしなくてもいいのです。
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