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ブログ 2025.04.24
農業ゲームの勝ち方
こんにちは。全国で講演、セミナー研修など行っている
農業講演家の山下弘幸(やましたひろゆき)です。
農業歴35年。親元就農後、個人、法人の農業経営を経て
農業コンサルタントに転身し、
現在、新規農業者、若手農業者、企業農業参入支援などをしています。
具体的には、稼げる農業を実現する
”1歩先行く農業者”のオンラインコミュニティ
「農業ビジネススクール(農ビジ会)」を主催し
全国200名の農業者と毎月勉強会や情報交流を行っています。
また、定期的に更新しているyoutube(農テラスチャンネル)では
全国の農業者へ「農業経営・農業ビジネス」の最新情報をお届けしています。
さて、今回の山下弘幸農ビジコラムテーマは農業ゲームの勝ち方
山下さん。私、出荷部会を辞めようと思うんですけど。
え?なぜですか?頑張っていたじゃないですか?
っていうか、辞めた後、どうするんですか?
農家の悩みは計り知れない。
就農して36年。ずーっと農業はどうやれば儲かるのだろうって考え続けてきた。
どうやれば農業で幸せに暮らせるんだろう?ってずーっと考えてきた。
その結果、ひとつの答えにたどり着いた。
それは『農業から離れる』ことだった。
農業から離れるといっても離農するという意味ではない。あくまで「農業はこうあるべき」という「囚われ」から離れるということ。
私たち農家は知らず知らずのうちに「農業」に囚われている。ちょっと意味が分りづらいかもしれませんが、とにかく農業をやっている人は「こうあるべき」「こうでなければいけない」と思い込んでいることがたくさんあるようです。
例えば作型ひとつとってもそうです。促成栽培やら班促成栽培、雨よけ栽培など40年前に農大で習った作型は今の気候にはそぐいません。だけど自分だけ作型を変えるわけにはいかないのです。
なぜなら、共同出荷部会に所属しているから。部会は同じ品種、同じ施肥、同じ作型で同じような栽培をするのが基本。同じJA○○、○○部会という同じブランドで出荷するからです。
農家の悩み「自分の思い通りにいかない」
山下先生、うちの部会はなかなか思い通りにいかないんですよ。
夏秋トマトで有名なある部会に属する48歳男性農家。この方は15年前に新規就農し部会に入った。トマトづくりもそこで学び、去年は部会内で一番収量が多かった。
元々、非農家だったこともあり、当初は右も左もわからぬド素人。
ただ、教えてくださる先輩農家が丁寧だったこととでメキメキと腕を上げ、数年後にはそれなりの収量を取るようになった。地域活動、農協活動にも力を入れ地元でやっと受け入れられたと感じ始めた。
しかし、その方はだんだんある変化に気づき始めた。
なんか、今までやさしく教えてくれていた先輩農家がよそよそしくなっているように感じ始めたのだ。
地元の会合や飲み会でも新規農業者である私にあんなに親切だったのに・・・
地域にはその地に前からずーっと住んでいる地元民のコミュニティが存在する。
誰に気を使い、誰の発言力が大きく、誰が嫌われているか見えない序列が存在する。
あるとき気が付いたんです。なんか地元の大物から嫌われているなと。
地元の有力者もトマト農家。そしてその方こそが地元で一番トマトを作りが上手と要され、一番収量も多い農家である。もちろん、周りからも一目置かれる。
そうやって田舎では目に見える形で結果を出した人は権力を得るのだ。
地方に根付く同調圧力
このご相談者は先輩農家を決して悪くは言わない。なぜならお世話になった方だから。ただ、家族で移住してきていつも顔を合わせる人と気まずくなるのだけは避けたい。さらに、地元の権力者の周りにはそれに忖度するコバンザメが取り巻きみたいに付いている。田舎ではその会合でもどの場面で参加する方のメンツは決まっているからたちが悪い。
山下先生。私部会を辞めようと思うんですけど。
え?なぜですか?
なんか、部会にいても成長しないようなきがするんです。
私は新規で農業を始め、もっと良い方法はないかと模索して、自分なりに調べて
チャレンジしてきました。その結果作型と品種を変えることで収量が多くなることに気が付いたのです。
実はひと畝だけ去年から実験していて・・・
だけど、部会でその話をしても誰も聞いてくれないんです。
もし、失敗したらどうするんだ、今までこの作型、この品種でやってきたから、
これで○○市場から信頼を受けている。これまで作り上げてきた信用を無くすわけにはいかん!
いやね、私は良かれと思って提案したんですけど、それからあいつは「よそ者のくせに生意気だ」って。
そんな空気になってしまって・・・
私も部会に属していた時、意見を言えばうるさい奴だと煙たがられた。
だから、そんな部会はやめてやれ!ってすぐに辞めました。
更には辞める時も圧がかかった。辞めてもいいけど、ダメだったって言って帰ってくるなよ。って。
今どきそんな部会は少数かもしれないけれど、大なり小なり全国の農協で起きている事例です。
これは農協が悪いのではありません、部会内の農家が問題です。
農協はあくまで自分たちの協同組合。農協職員は私たちが雇っている職員です。
そして理事も部会長も自分たちが選出している。ただ、部会員は出資すれば誰でもなれる。だからいろんな農家がいるのです。
部会辞めないほうがいいですよ
私のアドバイスに相談された方も戸惑っていた。え?でも山下さんは出荷部会辞めたんですよね。
そうです。わたしはすぐに辞めました。でもすぐに後悔しました。だって一人で戦うってなかなかハードルが高いモノです。
自分でパート雇って選別して梱包して出荷する。でも個人で市場に持ち込んでも系統出荷品にはかなわない。市場からの信用が違いますからね。
ただ、辞めたおかげでやることも見えてきました。
え?それって何です。
それは農業をビジネスに変える視点です。
農業をビジネスに変える視点?
そうです、これまで農協共販部会は共同で同じ時期に同じように作り同じブランドで出荷してきましたよね。
ただ、ブランドって買い手によって変わるんです。
例えば直接青果業者に卸す場合は最高品質より安定品質が求められます。
つまり、ゲームが違うってことに気が付いたんです。
ゲームというのは「何をやれば勝ち」なのかということ。
例えばサッカーや野球は点を多くとった方が勝ちです。
では農業というゲームでは「何をやれば勝ち」でしょうか?
え?・・・そんなこと考えたことありません。
そうですよね。農業やっている人で何をすれば勝ちか考えている人って
めちゃくちゃ少ないんですよ。
でも、そこに気づいた人が「勝てるんです」
え、じゃ、その農業ゲームを教えてください!
はい、農業ゲームの勝ち負けは「相手によって異なります」
例えば
卸売市場へ出荷する場合は「出荷量が少ない時に出荷できる」が勝ちです。
青果業者へ直接卸す場合は「契約で決められたことを守れる」が勝ちです。
ECサイトで直接販売する場合は「お客さんとマメにやり取りできる」が勝ちです。
そして、おそらく今いる部会での勝ちは「収量が多い」ではないでしょうか。
であれば、部会を抜けるのではなく、部会の中で「圧倒的に収量を多くとる」を
目指されてはいかがでしょうか?
この方はその後、作型を少しずらすことで定植時期の負担を軽減し長期採りトマトの収量で圧倒的な結果を残しました。
そして今年からそのトマト部会長を務められています。
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