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ブログ 2025.02.06

農産物販売の心理的障壁と克服法について

こんにちは。全国で講演、セミナー研修など行っている

農業講演家の山下弘幸(やましたひろゆき)です。

農業歴35年。親元就農後、個人、法人の農業経営を経て

農業コンサルタントに転身し、

現在、新規農業者、若手農業者、企業農業参入支援などをしています。

具体的には、稼げる農業を実現する

”1歩先行く農業者”のオンラインコミュニティ

「農業ビジネススクール(農ビジ会)」を主催し

全国200名の農業者と毎月勉強会や情報交流を行っています。

また、定期的に更新しているyoutube(農テラスチャンネル)では

全国の農業者へ「農業経営・農業ビジネス」の最新情報をお届けしています。

 

さて、今回の山下弘幸農ビジコラムテーマは

農産物販売の心理的障壁と克服法についてです。

「あなたは『売る』ことに苦手意識を持っていませんか?それは当然です。

なぜなら、農家の多くは“作るプロ”であって、“売るプロ”ではないからです。」

 

実は農産物を販売しようとする多くの農家が心理的な障壁に直面します。

今回は、「売れない3つの心理的障壁」とその克服法について解説します。

 

売れない3つの心理的障壁

 

1、断られることやダメ出しをされるのが怖い

 

農家が直接販売すると、消費者や取引先から品質に関するダメ出しや苦情、クレームなどフィードバックを受けることが避けられません。市場出荷では競り人から査定されることにより価格で評価されるだけですが、直接販売では具体的な指摘が耳に入ります。

例えば

「せっかく丹精込めて作った農産物が『ちょっと高いね』『別にここのじゃなくてもいいかな』と言われると、ショックですよね。」

 

このように、多くの農家は断られることやダメ出しを恐れ、積極的な営業をためらうのです。

 

2、価格交渉が苦手

 

多くの農家は「適正価格を決められない」場合、「価格の駆け引きをしたくない」という心理が働きます。農家は生産者としての意識が強く、販売戦略を持たないことが多いため、価格設定や交渉を避ける傾向があります。背景としてこれまで共同出荷や市場出荷など出荷したものを「換金」してくれるシステムに慣れているため自ら価格を提示することが苦手になっているのです。

 

3、営業の仕方が分からない

 

取引先を増やしたいと考えても、どのように営業すればよいのか分からない農家が多いです。そもそも売ったことがない人は「営業」そのものを勘違いされています。

営業とは「買ってください」と売り込むのではなく、「私はいつから何をいくらで提供することができます」と情報を伝えることなのです。つまり「売る」のではなく、「知ってもらう」ことが重要なのです。

 

3つの克服法

1、断られることは当たり前だと割り切る

 

営業や販売では「10回に1回成功すれば良い」という考え方を持つことが大切です。

断られるのは当然であり、それを受け入れることが売れるための第一歩です。

例えば、まずは小さく試すことが大事です。地元の直売所やイベントで5回話しかけて、

どんな反応が返ってくるかを試してみましょう。

 

2、交渉ではなく会話をする

 

「交渉=駆け引き」ではなく、「相手と会話する」ことが重要です。

例えば、「どのような商品を求めていますか?」と聞き、相手のニーズを知ることから

始めると、自然と価格や条件が見えてきます。

 

3、価格設定を明確にする

 

適正価格を決めるには、「買ってくれる人」と「売ってくれる人」の違いを理解することが必要です。

買ってくれる人(消費者):

価値を伝え、納得してもらえれば価格は自由に設定可能です。

私も以前、ナスを1本300円で卸していました。東京の有名なシェフの方でしたが

私が作る「ナスの価値」を認めてくれたのです。

 

売ってくれる人(卸業者など):

最終的な消費者の価格から逆算して決定する必要があります。私が量販店とつながっているバイヤーにナスを卸した時は1ケース1440円(送料込み)

1本あたりの単価は30円でした。これは店頭で売られる場合2本128円からの逆算でこの卸価格が決まっていた事例です。

 

「ナス1本300円で売れたケースと、1本30円で卸したケース。どちらも正解です。

でも違うのは『誰に売るか』ということ。

 

価値を伝えられる相手には高く売れ、流通を通す場合は市場価格に左右される。

この違いを理解するだけで、価格設定の考え方が大きく変わります。

 

まとめ

農産物を販売する際には、「断られる恐怖」「価格交渉の苦手意識」「営業の方法が分からない」といった心理的障壁があります。

 

しかし、これらは「断られることを前提にする」「会話で関係を築く」「適正価格を理解する」という考え方にシフトすることで克服できます。これらのポイントを押さえれば、新たな販路開拓や売上向上につながります。

 

最後に、結局は新しいことに挑戦する「勇気」があるかどうかです。

得てして農家は誰かが代わりにやってくれないか、誰かが高く買わせてくださいって

やって来ないかと妄想しがちです。

 

ですが、そんな人は現れません。自ら行動していくしかないのです。

 

「あなたが動かなければ、あなたの農産物は誰にも届きません。

価格も、販売先も、販路開拓も、すべてはあなた次第。

でも、動けば必ず何かが変わります。まずは一歩踏み出しましょう!」

詳しく学びたい方は動画もご覧ください

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