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ブログ 2021.06.28

脱おいしさの追求

こんにちは脳を耕す農業講演家の山下弘幸(やましたひろゆき)です。

今回の、農テラスブログのテーマは脱おいしさの追求

田植えが落ち着いたころですね。農家の皆さんご苦労様です。

 

そんな中で、酷な話で申し訳ないのですが、今回は「脱おいしさの追求」についてです。

 

日本中の農家さんは自分ちのお米がいちばんおいしいって思っています。

私もそうでした。我が家のコメが一番おいしいって思っていました。

 

しかし、熊本震災以降、自作田に亀裂が入ったため自家米すら作付けを断念し

今は我が家以外の方が作ったお米を食べています。

 

結論言えば、我が家のお米をおいしかったけれど他の人のお米もおいしい。ってことです。

これまで結構食べ比べしましたが、産地によってそう違いはないようです。

確かに温暖な地域のお米より冷涼な地域のお米の方が良い感じはしました。

また、品種による違いはかなりあったように感じました。

 

私は「おいいしい」という味覚のフレーズにいつも違和感を覚えます。

お米は炊き方でも違うからです。

 

私はご飯の炊きあがりは「固め」が好きですが妻は「軟め」が好きです。

私は熱々が好きですが、妻は冷えたごはんが好きだそうです。

 

ちょっと屁理屈ですが、おなかが空いているときはおいしく感じるし、

おなか一杯の時はそこまで食べたいとは感じません。

 

私は「おいしい」を追求するのが昔から苦手でした。

子どものころから男の子は食べるもの、着る服、寝るところに文句言ってはいけないって

いう教育を受けてきたからです。

 

出されてモノは文句言わずに食べろ。

出されたものはおいしいって言って残さず食べなさい。って。

 

ですから、いまだに何出されてもおいしいって思ってしまうのです。

 

しかし、農業界や食品業界にいると

やたらと皆さん「おいしい」にこだわりますよね。

 

 

話が飛躍しますが、マクドナルドはモスバーガーやロッテアと戦っているわけではないってご存知でしたか?なぜなら

マクドナルドが同業者と戦えば「ハンバーガー業界」ごと負けてしまうからです。

 

どこに負けるのか?

 

それは昼食(中食)業界に負けるのです。

 

マクドナルドが戦うべき相手は同業者ではなく吉野家や一風堂やコンビニの弁当と

戦っているのです。

 

自分がいる狭い業界しか見ないでいると、いつの間にか全く違うところで追い抜かれてしますことになります。

 

その最たる事例が本屋さん業界です。

本を売る書店は苦戦を強いられていますよね。

なぜなら、古い慣習で出版元から1次卸、2次卸を介して書店に並ぶ昔ながらの

流通にこだわっているからです。

 

その自分達の業界のやり方にこだわって、内部で競い合っていたら、いつの間にか

Amazonがオンラインで本を売り始めたんです。

 

さらに言えば社会も変わり電子書籍で本を読む人が増えてきたのです。

 

同じようなことが農業業界でも起きています。

うちの米が一番おいしい、いや、うちの米の方が絶対においしい。などと

言っているうちに

 

そもそもお米を食べる人が減ってきたましたよね。

私たち農家はおいしいお米を作ることが果たして正解なのでしょか?

 

それより、おいしさの追求はほどほどにして

お客様が本当に求めていることに目を向けてみてはどうでしょうか。

山下弘幸(やましたひろゆき)プロフィール
https://drive.google.com/file/d/1Oa6FE0L4Ub6VyUMznSUZItocqbXEUtt6/view?usp=sharing

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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