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コラム 2020.03.06

農業産出額から見えてくる これからの農業について

農業総産出額が4年ぶりに減ったという。

これってどういうことなんでしょうか?

先日、

農林水産省がまとめた2018年のデータが発表されました。

この数値は

 

農業で算出した経済額になるのですが、

単純に農家全体の売り上げとして参考にさせていただいています。

 

わかりやすく言うと農家の売り上げです。

つまり、

農家が生み出した経済効果と言えます。

 

市場出荷の場合は

農家が持ち込んだ農産物や農協を通じて持ち込まれた

農産物は競りにかけられ青果業者が落札します。

 

その落札された年間金額がカウントされるため

市場価格が安ければどれだけ量を出しても

この農業総産出額というのは上がりません。

逆に、モノが少なくても市場取引価格が高ければ

農業産出額は上がります。

もちろん、

JA経由で出荷したもの、卸売市場に直接出荷したものに併せて

ダイレクトに青果業者に出荷したもの、いわゆる

相対取引されたものも含まれます。

 

この合計が農業総産出額です

内訳は米が1.74兆円

野菜が2.32兆円

果樹が0.84兆円

畜産が3.21兆円

その他も含め合計が9.06兆円です

 

ちなみにピークは昭和59年で

11.72兆円でした。

 

1、農家の売り上げが下がったのですか?

これって?今の方が少ない?じゃない?って思われるでしょう。

なんだか、昔の農業の方が苦労して儲かっていなかったようなイメージじゃないでしょうか?

 

違うんです。35年前の方が農業の売り上げは多かったんです。

 

でも、これを聞くと納得されると思います。

35年前の農業者人口は約300万人

現在の基幹的農業者数は約140万人

 

つまり、農業産出額が減ったのは確かですが、

農家も減っていますので

単純に、

1農家当たりの産出額が増えているのです。

1農家当たりの産出額を単純に計算すると

35年前は11兆円÷300万人=366万

現在は9兆円÷140万=642万

1.75倍になっています。

 

つまり農家の売り上げは伸びているんです。

 

2、農業総産出額が減ったということは消費が減った?ってことですか?

違います。

結論を言えば輸入が増えたんです。

先ほどの昭和59年ごろは

国内農業産出額は11兆円で輸入される農産物の額が約4兆円でした

現在は国内総算出が9兆円に対して輸入農産物額が6兆円を超えているのです。

 

3、農業産出額が下がる原因は何ですか?

野菜などの市場価格の暴落です。

市場流通量が増えれば必然手に市場価格は下がります。

額に市場流通量が減れば市場価格は上がります。

これは需要と供給のバランスによるものですから誰にもコントロールできないのです。

これまでは産地が災害や天候不良により不作になっても

その他の地域の農産物価格が高騰して

国内農業全体としては産出額に大きな変動はなかったのですが

最近では、国内で産地が災害や天候不良で不作になると他の産地から

仕入れるのではなく、外国から輸入する傾向にあるのです。

ですから今後は農業産出額が上がることは無いかもしれません。

 

4、これから農家はどうすればよいのでしょうか?

これから農家が生き残るためには3つ方法があります

1、生産強化型

これから市場価格が暴落、もしくは安値で推移しても大丈夫な低コスト農業を行うことです

ポイントは生産コスト下げること。

生産コストを下げることとは少ない労力少ない投資でより多くの収量を上げることです

間違っていけないのが過剰労力、過剰投資で収量を上げること。

基本的に収量が増えれば流通量が増えます。そうなると

市場の原理で市場価格は下がります。

ですからあくまでも少労力、少額投資で反収を上げる努力をするのです。

具体的に言えば農業の基本である土づくり、環境制御、合理的な労力投資になります。

ムダを省いた効率的な農業をやらなければコストは抑えることはできません。

コストを抑えなければ市場価格が上がらない時代に対応することはできません。

2、販売卸型

これから市場価格の高騰が見込まれない時代になります。

そうなると安値安定の時代がやってきます。

既に始まっていますが、

そんな時代に強いのが相対取引で農産物を流通させることです。

相対取引とは農家と取引先が互いに価格、数量、規格、決済など条件を

決めて取引するもので契約栽培などと呼ばれるものです。

これにより高値を望まず、暴落に備える

製造業的な方法です。ここでも生産コストを抑えることで

利幅を調整できます。

1、の生産強化型より自分の努力で利益を確保できるため

現在主流となっている農業経営のやり方です

 

3、直販型

これからの時代農産物もインターネット経由で買う時代になります。

スマホでピッて注文して自宅に配送してもらう。

そんな時代なんです。

わざわざスーパーに買い物に行かない。そんな時代が始まります

そうなると農家側も自分で直接消費者に売る仕組みを作る必要が

あります。

自社サイトを作り、お客様から選んでいただけるよに

デザイン、コピーを充実させてお客様を直接呼び込むような

お店を作る方法です。

 

これからこの直販型はかなり伸びることでしょう。

 

話が長くなりましたが、農業産出額から見えてくる

これからの農業について私の見解を書いてみました。

 

 

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