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ブログ 2026.09.19
「作る農家」から「作らせる農家」へ。2026年、農業に起きている変化
こんにちは。
脳を耕す農業経営戦略家の山下弘幸です。
米が1俵3万5000円。
この数字を見て、高いと感じるか、妥当だと感じるか。実はここに、これからの農業を左右する分かれ道があることに、最近気づいた。
米価3万5000円は、高いのか
1万8000円の頃と比べれば、確かに高い。でも35年前とは気象の状況も、世の中の流れもまったく違う。資材費も上がる、株価も上がる、物価も上がる。そういう流れの中で見ると、この価格は「異常」というより「今の水準」に近いのかもしれない、という感覚がある。
問題は、この先だ。物価はまだ上がっていくのに、米の価格はむしろ下がる可能性がある、という声も出ている。物価は上がるのに、自分の売るものの値段は上がらない。これがどれだけ苦しいことか、想像がつく人には一瞬で伝わると思う。
デフレ脳とインフレ脳
長らく、日本はデフレ社会だった。「今日買わなくても明日でいい」「どうせ値段は下がっていく」。この感覚が染みついていると、売れない→値下げ→さらに売れない、という流れから抜け出しにくい。
一方でインフレの時代は逆だ。「今日動かないと明日は値段が上がる」。だから先に動いた人から得をしていく。

米価、資材費、株価、物価。これらが同時に動いていくこれからの数年、どちらの脳で世界を見ているかで、見える景色がまったく違ってくることになる。
「作る農家」から「作らせる農家」へ
自分自身、32歳の頃に一度どん底を経験した。スイカからナスへ、ナスからほうれん草へと作物を変えながら、37歳まで借金を返し続けた5年間があった。あの頃は、とにかく自分の手を動かして「作る」ことに必死だった。
でも今の時代に必要とされているのは、少し違う視点なのかもしれない、と最近感じている。自分一人で作る農家から、仕組みや人、時にはAIも含めて「作らせる」農家へ。これは偉い・偉くないの話ではなく、時代の側が求める形が変わってきている、という話に近い。
その変化を後押ししている軸が、3つ見えてきた。

① 植物の管理 ― 35年前とはまったく違う気象状況の中で、植物自身が悲鳴を上げているように感じる場面が増えている。
② お金のマインド ― インフレの時代に、先に動くかどうかで結果が分かれていく。
③ AIとの向き合い方 ― AIを「仕事を奪うもの」と感じるか、「生産性を高める相棒」と感じるかで、この先の景色が変わってくる。
完成予想図を持っている人から、見える景色が変わる
この3つの軸を眺めていて気づいたのは、「今の自分」だけを見ていると、どうしても不安になりやすい、ということだった。隣の動向が気になったり、情報に振り回されたり、判断が遅れたり。
逆に、3年後・5年後、2030年に自分がどうなっていたいかという完成予想図を持っていると、今何をすべきかが自然と見えてくる場面が増えていく。ゴールはそれぞれ違っていい。正解を探すというより、自分が選んだ道を正解にしていく、というほうが近い感覚かもしれない。
農業の未来は、暗くない
インフレ、AI、株高円安、温暖化。これらは確実に農業を揺さぶってくる要素だと思う。ただ、だからといって農業の未来が暗いとは思っていない。むしろ、脳を使うかどうかで結果が大きく分かれる、ある意味でとても面白い時代に入ってきているとも感じている。
37年間、現場で作物と向き合い、600件以上の相談に関わってきた中で見えてきたのは、変化のタイミングで「作る」から「作らせる」へと視点を切り替えられた人から、次の景色が開けていく、ということだった。
農ビジ会では、こうした完成予想図の描き方や、2027年に向けた具体的な考え方を扱うセミナーや相談の場を用意している。一人で抱え込まず、まずは無料相談から話してみるのも一つの選択肢だと思う。
農業界を明るく照らす農テラス
今日も一緒にこちらの脳を耕しましょう!