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ブログ 2026.09.29
節税より納税を選んだ理由
―所得が消えた年、僕は「税金を払いたい」と思った
こんにちは。
脳を耕す農業経営戦略家の山下弘幸です。。個人事業でも法人でも、12月に決算を迎える方は多いと思います。私自身も12月決算で、これから確定申告に向けて数字と向き合う季節に入ります。
「山下先生、節税の仕方を教えてください」
最近、こう相談されることが増えました。今回はその「節税」について、少し違う角度から考えてみたいと思います。
確定申告で、実は税金はこうやって決まっている
確定申告の損益計算書を見ると、税金がどう決まっていくのかが分かります。
流れはシンプルです。
収入 − 経費 = 差引金額 差引金額から 専従者給与(家族に払う給料)を引いて、農業所得が出ます。 そこからさらに、青色申告特別控除を引いた金額が、実際に税金のかかる所得です。

つまり、最終的に残るこの金額が小さければ小さいほど、税金は少なくなります。だから「節税」というのは、この最後の金額をどう小さくするか、という話になってくるわけです。
所得がなかった年に、気づいたこと
ここで少し、自分の話をさせてください。
私は1989年に就農して、1995年ごろが一番の どん底 でした。売上から経費を引いた残りが、ほぼゼロ。下手をするとマイナスの年もありました。
所得がなかったので、当然、税金も払っていませんでした。「税金を払わなくていいなんて羨ましい」と思われるかもしれませんが、実際は全く違います。そもそも所得がないので、節税がどうこうという次元ではなかったんです。
あの頃、心の中でずっと思っていたことがあります。
「税金、払えるようになりたい」
これは、今の言葉で言えば「早く黒字化したい」「事業を軌道に乗せたい」という感覚に近いかもしれません。税金を払うということは、それだけ所得が残っているということ。当時の自分にとっては、それは一つの目標のようなものになっていきました。
おかげさまで今は、税金を払えるようになりました。
節税を考えるほど、所得は減っていく
節税の話に戻ります。
税金を減らす方法の一つが「経費を増やす」ことです。控除の活用(生命保険料控除、iDeCoにあたる小規模企業共済等掛金控除、配偶者控除など)もそうですし、必要な支出を年内に前倒しで使う、というやり方もよく行われています。
ただ、これをやろうとすると、まず自分の数字を毎月きちんと記帳して、9月ごろの段階で年間の着地を予測できるようにしておく必要があります。予測がなければ、何をどれだけ前倒しすればいいのかも分かりません。
そしてここで一つ、見えてくることがあります。
節税をすればするほど、所得そのものは減っていく、ということです。経費を増やす、専従者給与を上げる——どれも「事業所得を減らす」方向の動きです。もちろん税金は減りますが、その分、手元に残るお金も減っています。
節税思考と納税思考、資産のできかたが変わってくる

同じ利益が出た年でも、「税金を減らしたい」という発想で動くか、「しっかり稼いで納めよう」という発想で動くかで、数年後の資産の姿はずいぶん変わってくるように感じています。
節税思考を続けていくと、所得は圧縮されますが、その分、純資産や固定資産として積み上がっていくものも少なくなります。一方で、控除は使いながらもきちんと利益を残し、納税していくと、その実績自体が資産や信用として積み上がっていきます。金融機関からの評価にもつながってくる部分です。
どちらが正しい、というより、こういう構造になっているんだな、ということが、数字を見ていくとだんだん分かってきました。
しっかり稼ぐことに、エネルギーを使う
税金をどう払わないようにするかにエネルギーを注ぐより、しっかり稼いで、しっかり納める。そちらの方が、結果として資産が積み上がっていく——これは、多くの成功している経営者を見てきて感じることです。
もちろん、汗水垂らして稼いだお金です。できるだけ手元に残したいという気持ちは、誰にでもあると思います。節税そのものが悪いわけでもありません。ただ、そこにばかり意識を向けるより、稼ぐことに目を向けてみると、見える景色が変わってくることがあります。
もし今、自分の数字の見方や資産の育て方について整理したい、という方がいれば、無料相談で個別にお話しすることもできます。年末は比較的時間が取りやすいので、ご興味あればお気軽にご相談ください。
農業界を明るく照らす農テラス
今日も一緒にこちらの脳を耕しましょう!