新着情報
What’s new
ブログ 2026.08.06
10年後に生き残る農家が、今から始めること
これからの農業戦略
農ビジセミナー『メール講座』第366号”
脳を耕す農業者”のコミュニティ
「農ビジ会」を運営している農テラスの
山下弘幸(やましたひろゆき)です。
^^^^^^^^^^^^^^^^^
【お知らせ】
8月の農ビジセミナーは
8月7日(金)19:00~
テーマは新・経営術
山下が農業経営から一歩踏み込んだ
「人生の経営」について
お話させていただきます。
^^^^^^^^^^^^^^^^
そして今回のテーマは
「10年後に生き残る農家が、今から始めること」

今から10年後、生き残る農家が今、
始めていること。それについて話します。
#これから農家には良い時代がやってきます
では? 若手農家は「ラッキー」なのか?について。
まず、農水省のデータを見てみましょう。
基幹的農業従事者数は、
令和6年で111.4万人。
それが令和8年2月(概数値)には
98.7万人。
2年で12.7万人減っています。
これは
高齢者の離農が大きな要因でしょう。
この流れは、
これからも加速すると見られています。
そうなると、残った若手農家は
自動的にラッキーということになるのか。
データだけ見るとそう思えるかも
しれませんが、実際はそう単純ではありません。
肥料や燃料、人件費の高騰スピードに、
農産物の販売価格の上昇が
追いついていない。
この状態が続く限り、
コスト高の経営体質から
抜け出せない農家は、若手であっても
厳しい経営を迫られます。
一方で、
経費をコントロールできている農家には、
かなりの追い風が吹いてきます。
つまり分かれ道は「若手か高齢か」ではなく
「コストを制御できているかどうか」
にあります。
## 京セラが下請け時代に貫いたこと
創業期の京セラは、
松下電器(現・パナソニック)の
下請けとして、過度な低価格での部品納入を求められていました。
ほとんどの下請け企業は、その要求に応えきれず倒産していきます。しかし京セラは、血のにじむようなコストカットを続け松下の圧力に食らいついたのです。
その後、時代はデフレへ。
中国産の低価格家電に、次々と国内メーカーが飲み込まれていきました。
今なら、海外の大規模生産による
低価格輸入野菜との価格競争が、
これに近い構図かもしれません。
そのなかで生き残ったのは、
言うまでもなく松下と京セラでした。
農業でも、同じ構造が起きています。
経費は上がり、販売価格は据え置き。
この状況でも利益を捻出しようと
コストを制御しながら踏ん張る農家に、
やがて大きなボーナスが訪れます。
なぜか。
農業界の景気には
「遅れてやってくる法則」があるからです。
今、世の中は好景気。しかしその波は、
まだ農村には届いていません。
届くのはこれからです。
逆に、不景気の波も
いつも遅れて農業界にやってきます。
平成3年にバブルが崩壊しましたが、
農業の景気が崩れたのは平成7年。
私が農業経営を始めた年なので、
よく覚えています。
### 生き残る条件は、ひとつしかない
前置きが長くなりましたが、
ここが今日の一番伝えたいところです。
農業で生き残れるのは、
「今、コストコントロールを頑張った農家」だけです。
安く作れる体質を、この数年でどれだけ作れるか。ここが分かれ道になります。
これができた農家は、数年後にかなり「潤う」はずです。
10年後は、今頑張った農家の独壇場になっている。
なぜなら、今日は過去の結果であり、10年後は今蒔いた「種」(行動)の結果だから。
今日という日は
「未来への仕込み」の一日なのです。
#### コストを削れても、それだけでは足りない
ただ、ここで終わってしまうと、
もったいない。
コストコントロールに成功して、
生き残って、お金が残った。
それだけでは、
本当に目指したい未来にはなりません。
どんな暮らしをイメージして、
そこにどう辿り着くか。
ここまで考えて、初めて「仕込み」が完成します。
私がイメージする10年後の農家の姿は、
こんな暮らしです。
– 経済的に、余裕のある暮らし
– 精神的に穏やかで、体に負担のない暮らし
– 好きな時間を楽しめるゆとりのある暮らし
つまり、目指すのは「生き残ること」ではなく「暮らしの質が高いこと」。
そのためには、経営だけでなく、自分自身の生き方も経営する視点が必要になります。
##### 自分経営を支える7つの資本
自分経営を、7つの資本で見てみます。
1. センス — 方向性
どう生きたいかの美意識や価値観。誰と付き合い、どこから情報を得て、何を選ぶか。すべての判断の起点になります。農業経営もスポーツも陶芸も、豊かな人にはセンスがあります。センスとは選択そのもの。服の色、柄、素材を選ぶときの判断の積み重ねが、その人を作っています。
2. スキル — 実践力
課題を突破する交渉力やコミュニケーション力。経験の積み重ねが自信になり、行動の土台になります。新規就農者や若手農家にまだ備わっていないことが多いのが、この部分。やり方、言い方、対処法。これは自信の裏付けになるものです。
3. 技術 — 仕組み
生活や仕事を回す習慣化・システム化。「何を使えばいいか」「誰に聞けばいいか」が整理されている状態。これは知識なので、学べば身につきますし、ネットやAIでも調べられるようになってきました。だからこそ、技術ばかり磨いても自己実現には近づきにくい。むしろ、この技術に時間を使うよりセンスとスキルを磨いたほうが、遠くまで届きます。
4. マインド — 燃料・自分軸
失敗しても立ち直れるレジリエンス。ノイズを削り、トレードオフを選び切る覚悟。人は周りの意見に影響されやすく、多数派に流されがちです。でも、自分の意思で決めたことなら、うまくいかないときも踏みとどまれます。
5. リソース — 基礎資本
健康・時間・資金・情報というヒト・モノ・カネの土台。ここが枯れると、他の資本も動きません。生まれ持って多い人と少ない人がいて、そこは不平等です。ただ、配られたカードでどう勝つかが、人生の醍醐味とも言えます。
6. コミュニティ — 環境
支え合う仲間や家族、取引先、地域は心の支え。同時に、動きを止める錨にもなり得ます。コミュニティの中にいる間は見えにくいですが、一歩外に出てみると、自分がどれだけ狭い場所にいたかが分かることがあります。
7. 柔軟性 — 更新力
時代や変化に合わせて自分を更新し続ける力。ダーウィンは「生き残るのは変化できる者」と語ったとされています。人には現状維持バイアスがあるので、これがいちばん難しい資本かもしれません。
### ###10年後、こうなっていたら
コストをコントロールしながら踏ん張った農家が、数年後に潤う。
そして10年後には、今頑張った農家が独り勝ちのような状態になっている。
経済的に余裕があり、精神的に穏やかで、体に負担のない暮らし。好きな時間を楽しめる、ゆとりのある暮らし。
「農業をやっていてよかった」と言える農家が増えている。そんな時代には「農業をやりたい」という人も、全国に増えているはずです。
そのとき憧れの職業になっているのは、7つの資本を育ててきた農家です。技術だけでなく、センスとスキルを磨いてきた農家です。
10年後から逆算するなら、今日蒔く種を、少しだけ変えてみる。
そこから見える10年後の景色が、変わっていくかもしれません。
^^^^^^^^^^^^^^^^
【お知らせ①】
8月の農ビジセミナーは
8月7日(金)19:00~
今回の内容を
詳しくお話させていただきます。
たくさんのご参加お待ちしております(^^♪
お申込みは
「農ビジオンライン」で検索してください
コチラからもお申込みいただけます
【お知らせ②】
第9回最強農家になるためのAI教室
9月19日(土)13:00~
参加は無料
ただし
農ビジ会へのご登録が必要です(無料)
お申込みはこちら