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ブログ 2026.08.23

儲かる農家と忙しいだけの農家、決定的に違う時間の使い方

こんにちは。脳を耕す農業コンサルタントの山下弘幸です。

ビニールハウスで作業していると、ふらっと人が入ってくることがある。

「山下さん、いる?」「最近どうなん?」

そのまま座り込んで、ジュースを飲みながら世間話が始まる。追い返すわけにもいかず、気づけば1時間が過ぎている。電話も同じで、作業中でも構わず鳴り続ける。

こういう時間の削られ方、農業をやっていると誰にでも心当たりがあるんじゃないだろうか。ただ、こうした「緊急なこと」への対応で1日が終わっていくのは、実はどの経営者にも起きること。問題は、そこで終わってしまうかどうかだった。

37年間農業を続けて、コンサルとして600件以上の現場を見てきた中でわかってきたのは、儲かっている農家と、忙しいだけで終わってしまう農家の違いは、時間の量ではなく、時間の使い方にあるということだった。アポなし訪問や電話は、その違いが表れる「入り口」に過ぎない。

何に時間を使っているかで差がつく

【図解1】

緊急×重要でマスを分けてみると、多くの時間は右上(緊急かつ重要)に吸い取られている。トラブル対応や急な欠員対応など、今すぐ動かないといけないことばかり。これに追われているだけだと、どうしても「忙しいだけ」で1日が終わっていく。

一方で、儲かっている農家ほど、左上の「緊急じゃないけど重要」な時間に、実はものすごく比重を置いている。ここに入るのが、考える時間だった。

これからどうするか。今の課題は何か。もっと効率的にできないか。今ならAIをどう仕事に組み込むかを勉強する時間も、ここに入ってくる。経営者としての力量は、この時間をどれだけ確保できるかで決まってくるように感じている。緊急対応に追われたまま1年が過ぎるか、考える時間を先に確保した上で1年を過ごすか。この差は、思っている以上に大きい。

時間は「空ける」ものだった

考える時間は、放っておいても生まれてこない。むしろ意識して、先に空けにいく必要があった。

そのために自分がやったのが、整理整頓の徹底と、日々の判断の仕組み化だった。倉庫や作業場が片付いていないと、道具を探すだけで思わぬ時間がかかる。頭の中の情報も同じで、必要な時にすぐ引き出せるかどうかで、動きが全然変わってくる。

5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)で、探し物に使っていた時間をなくす。「雨が降りそうならこうする」「従業員が休んだらこう対応する」を先に決めておいて、自分が毎回判断しなくていい状態を作る。

【図解2】

判断を仕組みに預けることで、自分の手元に時間が戻ってくる感覚があった。アポなし訪問や長電話といった時間泥棒も、こうして「考える時間」を先に確保しておくと、以前ほど痛手に感じなくなってくる。

次に空けるべき時間

仕組み化で生まれた時間を、考える時間にまわす。ここまでは自分ひとりでもできることだった。実際、これで手元に戻ってきた時間は、感覚として小さくなかった。

ただ、経営の規模が大きくなってくると、仕組み化だけでは限界がある。1人で抱えられる作業量には、どうしても天井があるからだ。仕組みをどれだけ整えても、体はひとつしかない。

そこで見えてくるのが、時間を空けるためのもう一つの手段。次回は、この「雇用」というテーマを扱っていきたいと思う。

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