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ブログ 2026.08.14
農業コンサル15年で見えてきたこと
自分にしかできない”の落とし穴
こんにちは。脳を耕す農業講演家の山下弘幸です。
めちゃめちゃ美味しいうどん屋さんがあるとします。
そこの職人さんにしか作れない味。 行列ができていて、他ではもう食べられない一杯。
一方で、ある程度マニュアル化されていて、誰が作っても同じ味になる。 そんなうどん屋さんが15店舗、20店舗と広がっている。
食べに行くならどっちに並びたいか。 答えは決まっています。職人が作った一杯を食べに行きたい。
でもこれ、ビジネスや会社の話になると、答えがひっくり返ります。
「誰でもできる」「マニュアルで再現できる」フランチャイズ型のうどん屋さんのほうが、会社としての価値は高いんです。
これ、農業も全く同じ構造だと、15年間コンサルの現場に立ってきて感じています。

「自分にしかできない」は、実は伸びしろが少ない
僕自身、15年前に農テラスという会社を立ち上げて、「農業をこんな風に教える」という、それまでなかったコンテンツを世に出しました。
最初は「山下さんにしかできない」と言っていただけて、単価も上がりました。
でも、しばらくすると真似されるようになる。というより、実は誰にでもできることがバレていく。 そうなると、単価はそれ以上伸びなくなっていきました。
ここで大事な気づきがひとつあります。
本当に「自分にしかできない」「誰にも真似できない」ことなら、単価はもっと高いままのはずなんです。 むしろ再現性がないもの、真似できないものほど、単価は上がり続けていい。
なのに、そうならないケースが多い。 この違和感に、一度立ち止まってみる価値があると感じています。
農業界の予算の重心が、静かに動いている
もうひとつ、大きな流れとして感じているのが、農業政策そのものの変化です。
かつては「食料をどう確保するか」という、戦後から続く発想が中心でした。 それが今は、どちらかというと「農地という環境インフラをどう維持するか」という方向に、予算の使われ方も基本方針も変わってきています。
この変化に気づかずに、まだ昔ながらの食料政策のイメージで動いてしまうと、正直なところ方向がずれます。

誰でもできる農業に、実は価値がある
担い手がこれからも減っていく一方で、国としては農地を「耕作放棄」にはしたくない。
ここで、農地を管理するのに特別な技術を持った人しかできない、という状態のままだと、単純にプレイヤーが足りなくなっていきます。
逆に、誰でもできる・真似できる・再現性がある、という形をあらかじめ作っておければ、コピー&ペーストのように広げていける可能性があります。
だからこそ、これからの農業でやっぱり価値を持つのは、
「誰でもできる」「真似できる」「再現できる」
この3つを備えた農業なんじゃないか、と考えています。
ちなみに話は少し変わりますが、企業のM&A(買収・合併)も、日本では「乗っ取り」のような悪いイメージを持たれがちです。 でも実際は、今が史上もっとも活発にM&Aが行われている時代です。 そこで評価されるのは、やはり「誰が担っても回る仕組み」を持っている会社です。うどん屋の話と、根っこは同じですね。
自分の進んでいる道は、合っているか
僕は熊本の人間なので、東京に行きたければ東に進む必要があります。 西に住んでいたら、佐賀や長崎に着いてしまう。
当たり前のことですが、方向が違えば、たどり着く場所も変わります。
これは農業も、人生も同じだと思っています。
何が正解か、なんて誰にも分かりません。 ただ、自分が本当に行きたい道に対して、今進んでいる方向が合っているかどうかは、確認する価値があるはずです。
もし「自分にしかできないこと」が多いなと感じているなら、それは強みであると同時に、一度立ち止まって自分の道を見直すサインなのかもしれません。
農テラスでは、こうした「再現性のある農業」をどう作っていくか、実際の経営相談の中でお話しすることが多いです。
今回の話の続きが気になった方は、note内・YouTube内のリンクから、または以下のメールから無料相談にどうぞお越しください。
