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ブログ 2026.08.08

農業景気は世の中より2〜3年遅れてやってくる

農業の景気は「2〜3年遅れ」でやってくる|株価から次の一手を先読みする方法

こんにちは。農業経営コンサルタントの山下弘幸です。

「今、世の中は景気がいいらしい。でも農業の現場では、そんな実感まったくない」

そう感じている方、多いんじゃないでしょうか。

実はこれ、感覚のズレでも景気の勘違いでもなくて、農業という産業が持っている「構造」なんです。今日は、その構造と、備え方について書いていきます。

農業の景気は、世の中より遅れてやってくる

農業は「食」を扱う一次産業でありながら、世の中の景気の波が、少し遅れて届く業界です。

世の中が好景気に沸いていても、農業の現場にその実感が届くのは数年後。逆に、世の中が不景気に転じても、農業がそれを肌で感じるのはやっぱり数年後になります。

資材費は上がっているのに、農産物の単価にはまだそこまで反映されていない。今、多くの農家さんが感じているこの違和感は、まさにこの「遅れ」の途中にいるからだと考えています。

35年前、私自身が味わった「遅れ」

私が就農したのは1989年、平成元年です。世の中はバブル絶頂期で、株価が4万円に迫る、空前絶後の好景気でした。

平成3年にバブルが崩壊し、世の中は一気に不景気へと向かいます。ところが農業はというと、そこからさらに数年後、平成7年に農業産出額が過去最高を記録しているんです。世の中が落ち込み始めても、農業にはまだ「好景気の波」が遅れて届いていた、ということになります。

私自身、その平成7年に大きな設備投資をしました。もともと2000万円ほどで済むはずだった計画が、周りの空気に押されるようにして5000万円規模まで膨らみました。「もっと大きくいかなきゃ」という空気が、当時はとても強かったんです。

今の感覚に置き換えると、補助金や導入支援がある中で、スマート農業設備への投資判断を迫られている状況に近いかもしれません。周りが動いているから自分も、という空気は、時代が変わっても形を変えて存在するものだと感じます。

結果として、その投資の直後から経営は一気に厳しくなりました。世の中の景気はすでに下り坂に入っていたのに、農業だけがワンテンポ遅れて盛り上がり、その波に乗ってしまったからです。

令和8年の今、何が起きているか

現在、世の中全体の景気は好調とされています。株価も高い水準で推移しています。

一方で農業の現場では、資材費の上昇が続いているものの、それが農産物単価にはまだ十分に反映されていません。これは、世の中の好景気がまだ農業業界に届ききっていない段階、と捉えることができそうです。

このまま行くと、来年か再来年あたりに、農業業界にも好景気の波が届く可能性があります。もちろんこれは予測であって確約ではありませんが、平成のパターンを踏まえると、十分にあり得る流れだと考えています。

何を見ておけば、次の一手を早められるか

ポイントは、農業の数字だけを見ていると、変化に気づくのがどうしても遅れる、ということです。

先に動く「世の中側」の指標を日頃からチェックしておくと、農業業界に波が届く前に心構えができます。具体的には、株価や物価指数の動きです。

たとえば株価が右肩上がりを続けている間は、基本的に問題ありません。ですが、上昇が止まって停滞し始めたときは、「そろそろ農業業界にも影響が届くかもしれない」というサインとして捉えられます。

世の中の景気が悪化に転じたタイミングを早めにキャッチしておければ、農業業界にその波が届く前に、投資判断や資金繰りの見直しに動く時間を確保できます。

まとめ:波は遅れてやってくる

農業の景気は、世の中の景気から数年遅れて届きます。これは平成のバブル崩壊のときも、令和の今も、同じ構造で起きているようです。

今、世の中の景気がいいなら、農業業界にもいずれその波が届くはずです。そして今のうちに、株価や物価指数といった「先行指標」を見る習慣をつけておくことが、次に不景気の波が来たときの備えにつながります。

「波は遅れてやってくる」

このシンプルな一言を、頭の片隅に置いておいてもらえたらと思います。

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