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ブログ 2026.07.05
「農業、もうやめたい」と思ったら読んでください
「山下先生、実は農業やめたいんです」
最近、こんな相談を受けました。
「本当は、農業やめたいんです」
正直に言うと、こういう相談は珍しくありません。
そして僕は、農業コンサルタントです。 それなのに「やめる」相談に答えるのは、誤解されやすいかもしれません。
でも誤解しないでください。 僕は、農業をみんなにやってほしいと本気で思っています。
ただ、どんな業界でも「合う・合わない」があります。 正直に言うと、農業はセンスです。
僕自身、農業にセンスがあったかと言われたら、なかったかもしれません。 だからこそ、生産そのものではなく、自分の得意分野を見つけることになりました。
水を得た魚のように、農業で成功している人もたくさんいます。 僕はそことは少し違う道を選んだ、というだけの話です。
農業は、始めるよりやめる方が難しい
農業をやめたい。 そう思っても、実際にやめるのは簡単ではありません。
理由は大きく2つあります。
1つ目は、世間体です。 2つ目は、これまで支払ってきた借金です。
始める時よりも、やめる時の方が、はるかに大変なんです。
「農業で食えてる人」は、実は少数派
「農業やってるんですね、すごいですね」 そう言われることがあります。
でも、これには少し誤解があります。
「音楽やってます」「お笑いやってます」と言う人と同じで、 それで実際に食えている人は、ごく一部です。
日本の農業者のうち、専業農家は約100万人。 そのうち実際に採算が合っているのは、20%から25%ほどしかいません。
つまり、4人に1人くらいです。
「農業やってます」という言葉の重みは、想像以上に幅が広いんです。
【図解1:専業農家のうち、採算が合っている人の割合】

やめることは、悪いことじゃない
僕は、農業をやめることは悪いことではないと思っています。
理由は単純です。 それは、あなたの人生だからです。
農業が、人生の全てではありません。
ただ、地域の農村社会にいると、 「あいつ、農業やめたらしいよ」 「結局うまくいかなかったんだな」 というレッテルを貼られるような雰囲気があります。
尻尾を巻いて逃げる犬、みたいな扱いです。
実際にそんなことを言う人は、ほとんどいないと思います。 でも、本人はそう感じてしまうものなんです。
やめる時の「配線処理」が、実は一番大変
そしてもう1つ、非常にめんどうな問題があります。
田んぼや畑は、どうするのか。 機械は、どうするのか。 借りていた農地は、どう返すのか。
やめると決めた瞬間から、やらなきゃいけないことが、ものすごく増えます。
そして1番大変なのが、借金です。
農業は、始める時に大きなお金がかかります。 トラクター1台でも、中古で何十万円、新品なら何百万円です。 ビニールハウス、種、肥料。すべてにお金がかかります。
それを綺麗に回収して、綺麗に支払ってからやめられるなら理想的です。 でも、現実はそう簡単にはいきません。
僕自身の話をします
実は僕自身も、これと向き合った経験があります。
20歳で親元を出て、27歳で親から経営を引き継ぎました。 ところが32歳の時、行き詰まりました。
「これはまずい。どれだけ頑張っても、自分でコントロールできない世界かもしれない」
そう感じた時、僕が決めたのは、こうです。
まず、今ある借金をとにかく減らしていく。 そして、次の借金を極力増やさない。
なぜか。 選択肢の自由度を上げるためです。
「あと5年で支払いが一通り終わる。37歳の時に、やめてもいいし、続けてもいい」
そうやって、自分に逃げ道を作っておくことを、32歳の時に決めました。
【図解2:山下さんの「選択肢の自由度」戦略】

37歳、借金がなくなった
結果として、37歳の時に借金がなくなりました。
それまで返し続けてきたお金が、すべて利益に変わりました。 正直、絶好調でした。
でも、その絶好調な時に、家庭の問題などいろいろなことが起きました。
そして僕は、「ここで違う道を行こう」という選択肢を、自分で選ぶことができました。
これは、32歳の時に「選択肢の自由度」を作っておいたからこそ、できたことです。
まとめ|やめることも、続けることも、あなたが選べる
農業をやめたいと思うことは、決して悪いことではありません。
ただ、やめるには準備が必要です。 特に、借金や機械、農地といった「配線処理」は、早めに考えておくべきものです。
もし今、本当に農業をやめたいと悩んでいるなら、 1人で抱え込まずに、誰かに話してみてください。
ご相談は、個別にお受けしています。秘密は外には漏らしません。
また、農ビジ会という、全国の農業者がオンラインで交流できる場もあります。 個別相談ほどではなくても、「あ、みんなも同じ悩みなんだ」と気づくだけで、心が軽くなることもあります。
ぜひ、お気軽にご参加ください。