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ブログ 2025.03.06

一杯のごはん値段は本当に高いのか?

こんにちは。全国で講演、セミナー研修など行っている

農業講演家の山下弘幸(やましたひろゆき)です。

農業歴35年。親元就農後、個人、法人の農業経営を経て

農業コンサルタントに転身し、

現在、新規農業者、若手農業者、企業農業参入支援などをしています。

具体的には、稼げる農業を実現する

”1歩先行く農業者”のオンラインコミュニティ

「農業ビジネススクール(農ビジ会)」を主催し

全国200名の農業者と毎月勉強会や情報交流を行っています。

また、定期的に更新しているyoutube(農テラスチャンネル)では

全国の農業者へ「農業経営・農業ビジネス」の最新情報をお届けしています。

 

さて、今回の山下弘幸農ビジコラムテーマは

「一杯のごはん値段は本当に高いのか?」

米騒動から考える『食の未来』についてです。

先日、NHKの日曜討論で『食をどう守る?』が取り上げられていました。

番組の内容は、”食を守る” という課題は、一部の立場の人の努力だけでは解決しない。

 

では、いったい食の問題は「誰が支える?誰が変える?」というお話です。

 

そもそも食を守るとは何か?

“食を守る” とは、単に食料を確保するだけでなく、

“日本の農業が続く仕組みを作ること” です。

 

日本の食の現状

日本の食料自給率は低く、多くの農産物を輸入に依存しています。

世界的な物流の混乱や天候不順があれば、食の安定供給が脅かされます。

背景には農家の高齢化、生産者の減少、担い手不足の深刻化などが。

 

米騒動から考える「食を守る」

昨年から「米が足りない」「価格が高騰している」というニュースが相次いでいますが、

政府が備蓄米を放出しても、流通業者が抱え込むことで市場にうまく行き渡らず、

価格が思うように下がらないのが現状のようです。

 

農家の立場

米の価格が上がるのは歓迎だが買い控えが生じ、さらに米離れが進むのではないかと

懸念しています。

 

消費者の立場

「米が高い」と感じる一方、食料の安定供給を望んでいる矛盾を抱えています。

 

政府の立場

米価をコントロールしながら、農家の経営を守る必要がある厳しい局面を迎えています。

 

業者(流通・卸)の立場

外食産業は絶対的な物量の確保は必須です。多少の余剰分を抱え込むのも心理です。

だから未来の日本より今のビジネスを優先してしまいがちです。

 

課題の整理

・消費者が農家と離れすぎ。コメの値段は「安かれよかれ」で農家は減少してしまった。

・政府は農家を保護してきましたが、その政策の「しわ寄せ」が露呈したカタチとなった。

・農家は減反政策により、農家の生産意欲が削がれたという指摘もある。

一方で、時代の流れの中で農業の方向性を模索してきた農家も多く2極化した。

・流通業者は儲かると思えば参入し儲からないなら撤退するビジネス優先。

 

 

新たな問題

今回の米騒動は、単なる一時的な価格変動ではなく、日本の食料事情の問題を浮き彫りにした。「米価をどうするか」だけでなく「食の安定供給」「農家の持続可能性」「消費者の理解」をバランスよく考える必要があると。

ただ、この食を守るというテーマは国際社会も複雑に絡んでくる。

例えば大国の関税引き上げ。時代は関税撤廃へ進んできたが、今後食の輸出入に大きな影響を与える可能性がある。

 

食を守る対策

1消費者が「買い支える」

2政府は「保護から強化へ」

3農家は「作るだけでなく教える」

4流通業者は「適正な還元」

 

まず、最初に取り組むべきは政府でも農家でもなく

消費者の問題が大きい。なぜなら、食の問題は政府でも農家でもなく「消費者」の問題だからです。

 

具体的には消費者が農家を買い支える仕組みが望ましい。

農家と消費者を紐づけして離れていた距離を縮めることが優先だと思います。

 

そして政府は農家を補助金から競争力強化へ転換することです。

安定的に稼げる農家が増えれば、次の世代の就農者も増えます。

一方、自由競争になれば弱い農家はつぶれることも懸念されます。

このトレードオフはかなり難しいと思いますが、

日本の食を守る観点で政策を打ち出す政治家が現れることを期待します。

 

次に農家は皆教える人になってほしいと思っています。

気を付けなければいけないのは技術継承的な職人を育てるのではなく、農業経営者を育てるのです。

そして現在の農業普及員や営農指導員の方は「教えることができる農家」を「教える人」になってもらいたいと思っています。

 

流通業者は農家にしっかり還元する。金の卵を産む鶏を保護するのは流通業者の役割だからです。さらには国内需要のみならず国外需要を掘り起こし日本農産物の輸出を推進してほしいと思います。

 

営農的対策

営農的な対策としては耐暑性品種や多収量品種の開発や、スマート農業の推進、

担い手育成、確保の強化、マニュアル化や事業継承のサポートなどがありますが、

これだけで解決できるものではなさそうです。

 

まして「誰かを責めること」ではなく、どう解決していくかを実践していくことが重要です。

 

このように

「食を守る」ためには、一つの視点だけではなく、農家・消費者・流通業者・政府、それぞれが目線を合わせ、連携することが不可欠です。

 

食を守る” とは、政府や農家だけの問題ではなく、私たち消費者も当事者です。

 

まずは、目の前の一杯のごはん値段が本当に高いのか?

そこから、日本の農業、日本の食を守るはじめの一歩が始まるのではないでしょうか?

 

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