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コラム 2024.08.29

凶暴化する台風と農業政策

こんにちは。全国で講演、セミナー研修など行っている

農業講演家の山下弘幸(やましたひろゆき)です。

農業歴35年。親元就農後、個人、法人の農業経営を経て

農業コンサルタントに転身し、

現在、新規農業者、若手農業者、企業農業参入支援などをしています。

具体的には、稼げる農業を実現する

”1歩先行く農業者”のオンラインコミュニティ

「農業ビジネススクール(農ビジ会)」を主催し

全国200名の農業者と毎月勉強会や情報交流を行っています。

また、定期的に更新しているyoutube(農テラスチャンネル)では

全国の農業者へ「農業経営・農業ビジネス」の最新情報をお届けしています。

 

さて、今回の山下弘幸農ビジコラムテーマは

「凶暴化する台風と農業政策」について

考えてみました。

さて、最近の気象情報で

「これまで体験したことのない」とか「観測史上初」のとか「観測史上一番多い、一番高い」など

これまで類を見ない現象が頻繁に起きていますよね。

 

特に台風は「凶暴化」が進んでおりこの影響は日本のみならず世界各地で異常気象を

もたらしているようです。特に8月中旬以降、タイで大規模な洪水が発生しています。

 

タイでは雨季の6月~10月に洪水が発生するのですが、

今年の雨量は例年の1.8倍だったと報道されています。主力の観光業や農業に影響が出ているほか、

日本企業が集積している工業団地も打撃を受けているらしいのです。

 

日本への影響はタイから多くを輸入している鶏肉やエビ、ペットフードにまで及びます。

 

私は先週北海道へ行ってきましたが日本の北の食料基地の農産物がどのように生産され、

どのくらいできているのか自分の目で確かめたいというのも目的のひとつでした。

 

結論を言えば今年は麦、大豆、じゃがいも、玉ねぎ、ニンジン、甜菜ともに豊作。

ちょうど玉ねぎの収穫時期だったため広い農地に玉ねぎが堀上られており、

農場わきには収穫した玉ねぎを入れる鉄コンが所狭しに並べてありました。

しかし、

日本は言わずと知れた「食弱国」です。

なぜなら食の大半を「輸入」に頼っているから。

 

ここから、私なりに日本が「食弱国」に陥った経緯を整理してみました。

 

まず、

1980年代のプラザ合意により円高が進み、日本は安い国外品を買う選択をした。

 

これにより

工業製品を海外に売りまくって儲けていた高度経済成長が終わり

代償として安価な国外商品が流入しデフレスパイラルに陥り、

やがて

失われた30年と呼ぼれる暗黒の時代に入った。

 

その間

景気、経済は停滞しGDPは中国、ドイツに抜かれ4位に転落、

日本人の所得も韓国や台湾からも抜かれ更にコロナ回復後社会の流れにのれず

低金利を維持し続けた

 

結果

円安が進み、ついに「買い負けする日本」が出来上がってしまった。

 

さらに、ここにきて

米が不足しているとか、尋常じゃない台風が来ているとか

南海トラフ地震が起きる確率が高まったとか諸外国からこれまで輸入にしてきた

材料、部品が手に入らないなどこれまで当たり前だった「サプライチェーン」が

大きく崩れようとしている。

 

そんな中、

2024年5月に改正された日本農業の法律と言われている

「食料・農業・農村基本法」は、日本の食料安全保障を強化することを目的として

法改正が行われた。

 

主な内容では次の点が強調されている。

 

◆食料安全保障の強化

日本が輸入に過度に依存するリスクを減らし、国内での生産能力を強化。

 

◆農産物の国内生産の促進

小麦や大豆などの主要な穀物の国内生産を増やすことの重要性。

肥料など農業に必要な資材の安定供給など国内の農業生産基盤の強化。

 

◆農業の競争力強化

若い世代を農業に取り込むデジタル技術の活用や大規模生産による利益向上、

肥料や輸送費などのコスト上昇が適切に価格に反映されるようにするための取り組み。

 

【結論】

これらの問題は農業だけで解決できるものではなさそうだ。

なぜなら、

アメリカは、日本に対して市場開放を求める強い圧力を長年かけてきました。

1980年代から1990年代にかけての牛肉やオレンジの輸入自由化は、その典型的な例です。

 

日本は、アメリカとの貿易摩擦を回避するために、農産物市場を段階的に開放してきました。この過程で、アメリカの要求に応じる形で日本の農業政策が影響を受けた側面があります。

 

いわゆる(1854)ペリーが浦賀にやってきて、日米和親条約を結んだような不条理なことが

今も起きているということです。

 

抜本的な改革をやらなければいけないが

政府は自分たちの利権争いや顔をだれにするかで右往左往している始末。

本来の「強い自立した日本」を作れるリーダーが選ばれること期待しているが

 

それを最終的に(決選投票)決めるは国会議員。

 

その国会議員を選んだのが残念ながら私たち国民なんですね。

 

今回は台風が近づいている中、

「凶暴化する台風と農業政策」についてぼんやりと考えてみました。

 

皆さんの地域に甚大なる被害がないことを心より願っております。

 

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