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ブログ 2024.07.30
「長男の嫁」について
こんにちは。農業パーソナルトレナーの山下弘幸(やましたひろゆき)です。
現在、農業講演家として全国の各農業団体で講演、セミナー研修など行っています。
農業歴35年。親もと就農から農業コンサルタントに転身し、
新規農業者、若手農業者、企業農業参入などサポートするために
”稼げる農業を実現する半歩先行く農業者”のオンラインコミュニティ
農業ビジネススクール(農ビジ会)を主催。
また、定期的に更新しているyoutube(農テラスチャンネル)では
全国の農業者へ「農業経営・農業ビジネス」の最新情報をお届けしています。
さて、今回の山下弘幸農ビジコラムテーマは
「長男の嫁」について
我が家のお盆事情についてお話しします。
私は正直に言うと、「お盆」が怖かったのです。
お化けや霊の話ではありません。
これは我が家のような農家のあるある話です。
お盆や正月が来るのが怖かったのは、
姉弟や親戚が実家である我が家に集まるからです。
「姉弟や親戚が集まるのはいいことじゃないですか」と思うかもしれません。
しかし、本家である我が家にとっては、毎年欠かさない恒例行事です。
ゲストを受け入れるホスト役として、準備とおもてなしで
毎年「天手古舞」になっていました。
親戚が来る前から掃除、片付け、料理や飲み物の手配など、
母は数日前からフル稼働し、当日のおもてなしと片付けを終えて
ようやくビッグイベントが終了します。
そして時代が流れ、今では私が家長となり、
当然ゲストを受け入れて天手古舞になるのは私の妻です。
なぜなら「長男の嫁」だからです。
結婚して間もないころから、妻は私の母を手伝うようになり、
やがてその役割が自分の務めになると感じていました。
育ちも習わしも風習も違う中で、親戚の顔もよく覚えていないうちに
絶対に失敗できない大舞台。
嫁いで間もない妻は右往左往し、見かねた母があれこれ指図する状況でした。
お盆の宴が終わり片付けを済ませ、
自分の部屋に帰りホッとした瞬間、私に修羅場が訪れます。
「なぜ長男の嫁だけがこんなに苦労しなければならないのか」
という愚痴を長々と聞かされます。
時には私の家族への悪口になり、それを聞くのが苦痛でした。
結果として夫婦関係が最悪の雰囲気になります。
これは昔の話で、今ではかなりレアなケースかもしれませんが、
甥が結婚した際に同様の問題が発生しました。
その甥は父の法事を母と一緒に取り仕切っていましたが、
ある年配の方が甥の奥さんに
「ご長男さんの嫁なんだからお酌して回るんだよ」と言ったのです。
これに対し、彼女は
「そんなシキタリは知りませんでした」と切り返し、
さらにその年配の方が
「そんなことは母から習うものだ」と言ってしまいました。
この事件以降、甥の奥さんは親戚づきあいを一切しなくなり、
夫婦関係もギクシャクするようになりました。
私には27歳と25歳の娘がいますが、
結婚なんてしたくないと言います。
相手の親とも付き合わなければならないのが理由の一つだとか。
一度、歳上の方との結婚を考えたコトがあるようですが、
相手の家族になるというのが受け付けられず、
悩み、苦しみ、そして鬱になって仕事もできなくなりました。
話しを聞けば、
相手の親御さんがかなりご年配の方で、
かなり古い考えだったらしい・・・
昔は家同士の結びつきが重要視されましたが、今は個人の時代です。
夫婦別姓でも構わない時代ですが、
この時代変化、価値観の変化に戸惑う世代も多く残っているようです。
最近の新聞では、男性社員が育休を取ろうとすると
「休みを取るなら辞めてもらう」「昇給はない」と言われた
そういう経験がある管理職が3割もいるとのことです。
少子化問題はこれだけではありませんが、
何かを変えなければならない気がします。
お盆が近づくと、私は「胸騒ぎ」が止まりません。
家族のことで「いざこざ」が起きるのではないかと疑心暗鬼になるからです。
わが家にも農村社会の古いシキタリや慣わしが残っていたため、
適応できる者しか生きていけないという考えもあります。
だから妻にも山下家のシキタリに慣れてほしかったのです。
しかし、我が家ではお盆のスタイルが大きく変わりました。
料理や飲み物の全てを外注にし、会費制を導入し、
準備や片付けも全員で行うようにしました。
今では毎回楽しいお盆になり、家族も親戚も仲良くなりました。
実は姉たちも長男の嫁として苦労し、
長男の嫁だけに負担がかかるのはおかしいと思ったらしく
わが家のお盆とお正月は昔と違って
めちゃくちゃハッピーな日に生まれ変わりました。
今回は農業の話ではありませんでしたが、
「長男の嫁」としてその家を継ぐ方やそのパートナーの方を応援しています。
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