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ブログ 2023.09.21

若手農家の成長を妨げる恐ろしい仕組み

脳を耕せ!農ビジセミナー「メール講座」第215号

いつもご覧いただきありがとうございます。

”脳を耕す農業者”のコミュニティ「農ビジ会」を運営している

農業ビジネススクールの山下弘幸(やましたひろゆき)です。

 

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9月15日開催の第37回農ビジセミナー「おカネと時間の使い方」

たくさんのご参加ありがとうございます。受講者の声です。

・時間の使い方について改めて考えることができました。

・無駄な時間を過ごしていたんだなーって気づかされました。

・これから何に時間を使うべきかがわかったような気がします。

などなど、毎日何気にやり過ごしている「時間」について私自身も

意識を深めることできました。

このテーマは私たち自営業者にとってとても大切なことなので

引き続き取り上げていきたいと思っています。

 

さて、前回は「成長する恐怖」というテーマで書かせていただきましたが、

※前回のアーカイブはこちらhttps://notera.co.jp/news/3182/

 

さて、今回は「若手農家の成長を妨げる恐ろしい仕組み」について

お話ししようと思います。

若手農家の成長を妨げるもの?

そう、それは「親」です。

 

このような話をすれば必ず、親を悪く言うような奴はけしからん。と言われそうですが、

別に「親」を否定する話ではありません。

 

取り上げたいのは「仕組み」の問題の方です。

 

自営業の親は自分の事業がうまくいけば、

自分の身内(子)にその事業を継がせたいと思うものです。

 

私の親もそうでした。

 

これは親の真理です。ですから悪い事ではありません。

 

ところが、事業というのは「仕組み」を作ることが面白いんです。

このことを世間で取りこぼしていることが問題だと思うのです。

 

つまり、事業承継の大きな問題は

面白い事は自分でやって、軌道に乗っている「仕組み」をそのまま

次の世代にやらせようとすることなのです。

 

だって、プラモデルって作る工程が面白いのであって

出来上がったモノをもらっても面白くないでしょう?

 

さて、仕組みを作るについてちょっとだけ解説すると、

例えば

脱サラして起業する人は大きく2つのことをやらなければいけません。

ひとつは

つつがなくモノ、サービスを提供できる「仕組み」をつくるこ。

もう一つは

つつがなくおカネが入ってくる「仕組み」を作ること。

つまり、農業をふくめ事業というのは

この2つの「仕組み」ができた段階で事業は軌道に乗り始めます。

 

そして軌道に乗った事業を持続継続させるために

その事業主は誰かに引き継がせようとする。

 

これが事業承継なのです。

 

ところが、「仕組み」ができた事業を任された「後継者」は面白くありません。

ただ、周りからは

 

いいわね、お父さんの事業を引き継ぐことができて。

いいわね、家業がある人って、苦労しないでいいんだから・・・

 

一般的な人は一生懸命勉強して、いい大学へ行き、いいところに就職する試験を

パスしなければ自分の生活費は稼げない。

 

しかし、家業を継ぐことができる奴はその苦労をしなくて済む。

だから、家業を継ぐ=うらやましい

 

私たち後継者は

そういうカテゴリーに入れられているのです。

 

ただ、事業をまかせれる後継者にしてみればちっとも面白くないんです。

 

例えば、事業承継って

空を飛んでいる航空機のコックピットでパイロットから舵を任されるようなもの。

自分はコックピットの中で舵を握らされるだけなんです。

 

隣の席には(先代)パイロットがいる。そういう状態で。

 

本来、航空機のパイロットの仕事というのは

自分で離陸し、空を飛ぶルートを調べ、気圧の変化や気象の変化に対応しながら

目的地に着陸させる。

 

これが仕事です。そして

これが楽しいんです。これこそやりがいがあることなんです。

 

なのに、一番楽しいところはやらせてもらえない・・・

 

(先代)パイロットにしてみれば

離陸や着陸は危ない、もしモノコトがあったら危険だ!ってことで

やらせない・・・

自分は何度も離陸に失敗し、何度も着陸に失敗してきた。

だから、

自分がしてきた苦労は後継者にはやらせたくない・・・

 

これが親の心理なんだと思います。

でも、

これでは後継者は成長しませんよね。

 

ただ、もっと厄介なのは、

その航空機の舵を任されただけのボンボン後継者を

ほかの人たちが「パイロット」だと評価し、チヤホヤすることです。

 

自分で離陸も着陸もしたことがない「ボンボン後継者」は

親が飛んできたルートをただひたすら飛び続ける。

真面目な後継者ほどなんの疑いもなく、これがパイロットになることなんだと

信じて疑わない。

 

ただ、ある時

自分も自らの手でルートを決めて、離陸して目的地に行ってみたい。って

自我が芽生えるんです。

 

後継者はここで「葛藤」が生まれます。

 

今のまま親の航空機で親のルート飛び続ければ

周りからは凄いね「パイロットになったんだね」

いま、パイロットのなり手がいないから君たちはすごいよ!って

周りからチヤホヤされて気持ちがいい。

だけど、

そんなぬるま湯から抜け出したい。って思う瞬間が出てくるのです。

 

ただ、親元就農して10年余り、ずーっと変わらない親が作った「仕組み」を

続けるだけで給料をもらい何不自由なく生活し続けてきた若手農家は

 

もはや自分で離陸しようとも、自分で航空機を飛ばそうとも思わない。

なぜなら、

墜落する恐怖の方が先に来るからです。

そして、変化すること、新しいことに挑戦する事が面倒になるのです。

 

こういう若手農家が10年後、20年後、農業界で活躍しているとは考えにくい・・・

 

しかし、全国各地の農村にいる若者はほとんどそういう者たちだ。

そして、

こういうボンボン後継者を作り上げたのも私たち。

そういう「仕組み」が農業業界を衰退させていくのかもしれない。

 

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【付録:山下弘幸物語】

悩んでいる農家の皆さんに是非読んでいただきたい物語です

 

山下弘幸ヒストリー① 卑屈な幼少時代

https://notera.co.jp/news/3158/

 

山下弘幸ヒストリー② 親との確執

https://notera.co.jp/news/3160

 

山下弘幸ヒストリー③ 人を育てる農家になる

https://notera.co.jp/news/3164

 

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