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ブログ 2021.05.06

脳を耕せ!農ビジセミナー「メール講座」第88号

脳を耕せ!農ビジセミナー「メール講座」第88号

いつもご覧いただきありがとうございます。

農業パーソナルトレーナーの山下弘幸(やましたひろゆき)です。

 

いつもご覧いただいています皆様に心より感謝申し上げます

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今回は、「彼女の志」についてお話します。

 

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【はじめに】

先日、3姉妹で農業をやっている社長さんからの相談を受けました。

 

もっと従業員にお給料を払えるようになりたい。って。

 

どうやら

この農業社長さんはすでに第3ステージに入っているようです。

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【農業のステージ】

農業を始める時

最初は自分のために頑張ります。自分の生活のため、そして家族の生活のため。

これが第1ステージである「営農」です。

 

家業である農業で暮らしを立てるにはどうすればよいか。

農家は日々自分の暮らしを気にかけています。

農業指導をされる普及員の方や農協の営農指導の方もこれら農家を支援してくれています。

 

第2ステージは

お客様のために頑張る農業者のことです。

農協や市場への委託ではなく自ら取引先(青果業者、仲卸、加工、外食中食業者など)と

取引条件を決めて相対取引をする「農業ビジネス」です。

今ではインターネットで直接個人のお客様と取引をするダイレクトマーケティングという

農業ビジネスも盛んです。これらは農業者が日々意識しているのは

お客様ファースト。仕事の段取り、休みの取り方、働き方はすべてお客様に迷惑をかけないように配慮しています。

このように農業ビジネスを始めた農業者は

お客様をいかに悦ばせることができるかを日々心掛けています。

 

そして第3ステージが

自分の農園で頑張ってくれている従業員の暮らしを考える農業です。

私はこの農業経営者を企業的農業と呼んでいます。

農業経営者さんところの従業員は取引先(お客様)のことを日々考えてくれています。

だから社長はその従業員さんの暮らしをもっと良くしてあげたい。

日々、そう思っているのです。

 

一般的な企業もそうだと思います。

会社は仕事を作り、その会社で働く従業員はお客様に自社の商品やサービスを提供するために働く。だからその会社の社長はその従業員に

頑張ってくれてありがとう。って還元します。

 

だから

この第3ステージである企業的農業者は一般的な企業と同じステージだと思っています。

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【彼女の志】

この女性社長は私にあるエピソードを語ってくれました。

 

私は以前旅行会社に勤めていて、ツアーガイドをやっていたんです。

そのときある会社の社員旅行を担当することになって・・・

 

そのツアーは社員さんだけ20名程度。

 

でも、不思議なことにそこには社長さん役員さんはいなかったです。

 

参加された方にお話を聞いてみると

社長がこういってくれたそうです。

 

“仕事は私たち(社長、役員)でやっておくから、日ごろ頑張ってくれている

皆さんはゆっくり温泉を楽しんできてください“って

 

そう言って私たち従業員だけを送り出してくれたんです。

 

これまでツアーガイドでたくさんの社員旅行を担当してきたけれど

フツーだったら社長や役員が社員旅行についていき、結局、従業員上役に気を使って、

楽しんでいるのは社長や役員だけ・・・みたいなパターンなのに

この会社はすごいなーって、感じたそうなんです。

 

さらに驚くことに社員が口々に社長をほめるんです!

社員さん曰く

社長はね、この会社を大きくしたいっていつも私たちに夢を語ってくれるんです。

だから私たちも社長のために頑張りたい!ってそう思っているんです。って。

 

すごーい!

私もいずれこんな会社をつくりたいって。感動したんです。

 

でも、このツアーには続きがあって、

帰りの飛行機が台風の影響で飛ばなくなって、参加されている方に

このままだと熊本には帰れません。福岡空港なら何とか飛びそうですが・・・

ってお伝えしたところ、

ある方がこうおっしゃいました。

 

「だったら仕方がないわね。みんなであと1泊していきましょうよ。」

 

当然ですよね。台風で飛行機が飛ばないんですもの。

だから私は急いで追加宿泊の手配を始めたんです。

 

そしたらさっきの方が私のところに慌ててやってきて

 

あの~すみません。さっきはあと一泊したいなんて言いましたが・・・

やっぱり帰ります。福岡までなら飛ぶんでしょう。って

 

え、どうされたんですか?

 

いや、あの後みんなで話あって、

社長たちだけに仕事任せてきているから、早く帰って仕事しなきゃって。

そうみんなで決めたんです。

実は、社員旅行に行っている時も仕事が気になっていて

早く帰って仕事したいなーって思っていたんです。

社長も頑張っているから自分たちばかり楽しんでいるわけにはいきませんからね。

 

すごい!すごすぎるこの人たち。

 

せっかくの旅行だからゆっくりしていけばいいのに。

仕事なんか社長たちに任せておけばいいのに・・・

 

当時従業員だった私にとって衝撃でした。

 

社長のために働きたい。早く帰って仕事をやりたい。って。

 

早速福岡空港行を手配して最終便で福岡へ。

無事飛行機は福岡へと到着しました。

 

私はお客様を連れて帰ってホットしていたんですが、

またびっくりすることがあって、、、

 

そして、そこにはなんと、

社長が自ら迎えに来てくれていたんです!

 

社長が一人でマイクロバスを借りて熊本から自分で運転して

社員を迎えにきてたの。

 

社員を思う社長と、社長や会社、そして仕事を思う社員さんたち。

 

私はそれにとても衝撃を受けていつかをこんな会社を作りたいてって

そう思ってきたんです。

 

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【まとめ】

その後、彼女はどうなったかというと、実家の農業を継いで

今では1億以上売り上げる農業法人の代表になっています。

 

そして、彼女が話してくれたエピソードの会社は熊本菊池にあるコッコファームです。

今ではたまご庵という物産館に年間何十万というお客さんが来るような従業員100名以上を抱える全国的に有名な農業会社になっています。

でも、そんなに大きな農業会社でも

まだ社員さんが10名~20名くらいの頃、そんなエピソードがあったそうなんですね。

 

冒頭でもお話したように農業にはステージがあります。

ある農家は市場相場が例年より良かったからって農業所得が多かったことを喜んでいた。

ある農業者は取引先からの注文が例年ほり多かったことを喜んでいた。

そしてある農業社長は例年より多く従業員にボーナスを払うことができたとと

満面の笑みを浮かべていた。

 

今回の農業社長のように農家、農業者が

従業員を思い、従業員に愛される農業社長を目指すようになるならば

日本の農業、日本の農村社会は今より発展するのではないかと思っています。

 

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