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ブログ 2020.09.10
脳を耕せ！農ビジセミナー「メール講座」第57号
サザエさん型農業のススメ
脳を耕せ！農ビジセミナー「メール講座」第57号
いつもご覧いただきありがとうございます。
農業パーソナルトレーナーの山下弘幸（やましたひろゆき）です。
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さて、今回は、サザエさん家のような農業 についてお話します。
【目次】
今回も長くなりましたので動画を準備いたしました
動画でご覧になりたい方はコチラからどうぞ
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【はじめに】
過去最大級の台風10号、被害に遭われたところにはお見舞い申し上げます
読者の皆さんは事前の対策など先週末から今週初めにかけて対応に追われた
ことだと思います。
改めて
自然の力にはかなわないって改めて感じさせられました。
さて、
わが家も台風が来るたびに眠れない日々を過ごしてきました。
これまで何度も何度も台風被害に遭い、なんでこんな目に遭うんだって思いながら、
家族で何度も何度も落胆し、そしてまた１から頑張ろうって家族一丸となって
家業である農業事業を復旧させ、
そして数年後にもっとひどい台風にやられ、また落ち込んで・・・
何度も何度もたたかれて、そうやって強くなる。
この試練を受け入れるのも私たち農家の宿命なのかもしれません。
でも、私はこういう暮らしがとても嫌でした。
こんな農業が。
私が目指していたのはこんな不安定で落ち着かない農業じゃなくて、
「サザエさん家のような農業」をやりたいって
ずっとそれを目標に頑張ってきました。
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私が就農したのは今から32年前の平成元年です。
農大を卒業したばかりの私は農業には全く身が入らず、遊んでばかりの毎日でした。
しかし、毎日が楽しかったわけではありません。
全く逆で、毎日がとても苦痛でした。
それは幼少期の頃の暮らしが影響しています。
わが家の両親は共働きで、毎日休みなく朝早くから夜遅くまで農作業をやっていました。
朝は、両親とも日の出とともに家を出て、日が暮れてからしか帰ってきませんでした。
いつも泥だらけで、汗びっしょりの服で帰ってきていました。
帰ってきた両親は疲労困憊で、毎日へとへとになっていて
それから母は私達の夕食を作ります。家事に洗濯にと毎日休む暇などありません。
こんな生活が土曜も日曜も関係なく1年中続きました。
これが我が家の日常でした。
毎日が苦痛だった理由のもう一つは「男尊女卑」です。
私の家はかなり古風な家庭でお風呂に入る順番が決まっていました。
祖父が1番、2番目が父、そして3番目が私。4番が祖母、そして姉たちが5番目、
最後は母です。
ほかにも
母が毎日やっている炊事、洗濯が大変だからって私が手伝おうとすると
大正生まれの祖父から怒鳴られます。男が家事を手伝うな！って。
※男子厨房に入らずの精神を祖父から叩き込まれたせいで
いまだに料理ができません（笑）
姉たちが母を手伝うと祖母が母を攻撃します。
嫁のくせに何もできずに孫に手伝わせていると・・・・
姑からの嫁いじめが始まります。
※いわゆる嫁姑問題です
わが家の日常は、母は祖母にいびられて毎日泣いていました。
父は祖母と母の板挟みでどうしようもなく
毎日イライラして酒を飲み、私たち子供に罵声を浴びせるなどの八つ当たりをします。
そして極めつけは
姉たちが父に反論すると
子供たちに対して
「誰のおかげで飯が食えていると思っているんだ！」
「気に入らないならすべておいて出ていけ！」って
子供たちの反抗を押さえつけるキラーワードを毎日ぶつけてきます
最悪な家庭です。
子供ながらに姉弟全員家出を何度も試みましたが
残念なことに近所のバスは1日2本。
バス代もないので歩いて家出をしますが、田舎はすべてが顔見知り・・・
すぐにばれて引き戻されます。
子供の頃、
私たちのことを知らない隣町まで逃げることは不可能でした
どうやったらパワハラとモラハラの悪列な家庭環境から逃げ出すことができるか。
毎日このことばかり考えていました。
とにかく、家族はみんなイライラしていて
いつも誰かが誰かを攻撃し
誰かがいつも機嫌が悪く、さらにその不機嫌で誰かがさらに機嫌が悪くなる
家族で笑いの絶えない食卓だとか、
家族でそろってお出かけなんて
そんな夢のような世界が世の中にあるなんて全く知らない
まさに、我が家は負のスパイラルに陥っていたのです。
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しかも、我が家の不穏な状況は近所にも、親族にも誰にもバレませんでした。
なぜなら、我が家の人々は人一倍世間体を気にし、外面がとても良い人達だったからです。
祖父も父も
地域のリーダーや、役職を務め、祖母や母はその主人を支える内助の功を
自ら率先して努めることで自分の自尊心や自己重要感を満たしていたのでしょう。
とにかく、誰も「幸せ」を感じることができない状況の中で
この環境から逃れるためにはどうすればいいかを
自分の人生を生きるにはどうすればいいかを
そればっかりを考えていました。
農業は「家族経営」が多く、家業である仕事の問題と働き手である家族の問題が
混在しています。
今回このわが家の内情をあえて書かせていただいたのは
農業問題の奥底にある、家族問題、親子問題を掘り下げたかったからです。
しかし、農業はこの家族問題、しいては地域問題（近隣問題）が根強く絡んでくるのです。
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家族問題がややこしい理由の一つに
おカネの問題があります
例えば、
家業である農業という「一つの仕事」で家族全員が暮らしていかなければいけない
ということです。
わが家は私が経営を始めた27歳の時、家業を継承しました。
つまり家督になりました。
その時、祖父母と両親、妻に子供二人、合計8人家族です。
その家族を養うのは私です。
その家族を養うのは農業です。
その時家族を養うのは私が生産した野菜の売り上げです。
私が、失敗すれば家族は生活できません。
もし、台風で我が家の栽培している野菜が収穫できなければ
わが家の暮らしは成り立たなくなります
ですから、台風前の対策は家族総出で取り組みます。
まだ幼い子どもを背に負ぶってまで私の妻も台風で被害が最小限に抑えられるように
ビニールハウスの被覆資材を外す作業を手伝います。
日が暮れてへとへとになっても
体がきつかろうが、手にマメができようが、ここで手を抜けばそれでおしまい。
すべてがわが身に降りかかってくのです。
家族の仲がよかろうと悪かろうと
一大事の時、家族は結束します。
なぜならすべてわが身（家族一人ひとり）に降りかかってくるからです。
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【まとめ】
もし、我が家の祖父もしくは父がサラリーマンで、
安定した給料をもらえる仕事をしていたらどんなに生活が楽だっただろうって思います。
家族全員が生きるための「糧」を農業1本に依存しているって
実はかなりハイリスクなんです。
家族で一つの仕事を一緒にやる。
農業以外でも
家族経営でやっているお店、居酒屋さん、ご商売をされている方
たくさんありますが、
家庭と仕事が一緒ってうまくいけば最高ですが
上手くいかないと最悪なんです。
子供の頃、サザエさん一家にあこがれていました
波平さんとマスオさんがサラリーマンとし働いて、
フネさんとサザエさんが家事をする。
こんな家庭が世の中にはあるんだなーって
毎週思って観ていました。
そして、サザエさん家みたいな
いつも楽しく、穏やかで、収入源がいくつかあって、安定した暮らしができる。
更には日曜日に休んだり、家族でピクニックに出かけたり出来るような
そんな農業がしたいって思っていました。
そのために掲げた目標が次の5つです
- 家族だけに頼らなくてもいい農業
- 仕事と家庭を分ける農業
- 休みと仕事のメリハリのある農業
- おカネが安定的に得ることができる農業
- 家庭が円満で幸せに暮らすことできる農業
私は、これまでただひたすら、この理想農業を目指してきました。
大金もちになりたいとか、豪邸を立てたいとか、そんな大それた夢なんかじゃなくて、
フツーの暮らしができる農業をやりたい。
ただそれを実現するにはどうすればよいか？
そうやって、やっと10年前、理想の農業を実現しました。
それが著書にも書いた「新・農業ビジネス」です。
今では、こんなに仲がいい家族は我が家ですって自慢できます
両親も仲良く暮らし、姉たちも穏やかに暮らし、私の家庭も豊かに暮らすことができています。
おカネをたくさん稼いでも心が豊かでない人もたくさんいます。
たまたまおカネが儲かっても、そのおカネは再現性のある稼ぎでなければ
ただの不安材料にしかなりません。
新農業ビジネスとは
つつがなくおカネが入る仕組みとつつがなくモノ・サービスが提供できる仕組みのこと
その仕組みを作ることで
つつがなく豊かな暮らしを得ることができるのです
日本全国の農家がこの仕組みを作ることができたなら
日本の農家は豊になります
日本の農家が豊になれば日本農業は潤います。
農業が潤えば、農村地域は活性化します
農村地域が活性化すれば地方に若者が残ります。
地方に若者が残れば日本は元気になります。
農家を豊かにする
これが私の理想とする「日本のカタチ」です。
今、病みそうになっている日本を農業で盛り返す。
そのためには農家が豊かになる
そう信じています。
そういう思いで、
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