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ブログ 2026.07.06
実は、食料自給率38%でこまっているのは〇〇?だった?
食料自給率の話、農家が振り回されなくていい理由
農家のお悩みシリーズ、本日のテーマです。
「食料自給率を上げたい」 「日本の食料自給率は低くて心配だ」
そんな声を、最近よく耳にします。 今日は、この食料自給率について、農家としてどう向き合えばいいのかをお話しします。
食料自給率で本当に困っているのは誰か
結論からお伝えします。
食料自給率のことで「困った、困った」と言っているのは、農家ではありません。
もちろん、農家も大変です。
でも、それよりもっと苦しい立場にいるのは、
農産物を取り扱って商売をしている、2次産業・3次産業の事業者さん。いわゆる食品業界の人たちです。
【図解1:見えている自給率と、実態のギャップ】

なぜ日本の食料自給率は上がらないのか
日本の食料自給率(カロリーベース)は、すでに38%を切っています。
売上ベースで見ると、国内生産は約7割とされています。 でも、その内訳を見ていくと、こうなります。
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穀物(小麦・大豆など) → ほぼ100%輸入
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畜産物の飼料 → ほとんど輸入
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肥料 → ほとんど輸入
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ひな鶏(鶏のヒナ) → ほとんど輸入
ここまで見ていくと、本当の意味での「国内自給」は、数%しかないのではないか。これが実情です。
肥料も、エネルギーも、ヒナも、すべて海外に依存している。 輸入が止まれば、日本の食料生産は一気に立ち止まります。
世界の食料不足は、本当に「足りない」のか
世界人口は今80億人。やがて90億、100億に向かうと言われています。
このまま行けば食料不足になるのでは、と心配する声もよく聞きます。
確かに、約80億人のうち10億人近くが、今日食べるものに困っています。
でも、ここで知っておいてほしい事実があります。
世界の食料問題は「量が足りない」のではなく、「届く場所に届いていない」という、流通の問題です。
経済的に豊かな国では、食べ物が余って捨てられている。 一方で、今日のミルクすらない国がある。
足りないのではなく、適正な場所に届いていない。 これが、食料不足の根っこにある構造です。
日本国内で自給率が上がらない、もう一つの理由
日本に話を戻します。
日本国内で自給率が物理的に上がらない理由は、シンプルです。
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農地が狭い
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農家の数が減っている
「1反あたり3トン取れているものを20トンに」「トマトの収量を5倍に」といった生産性向上は、テクノロジーで一部実現するかもしれません。 でも、すべての農家がそれを実現できるわけではありません。
しかも、もう一つの壁があります。需要と供給のバランスです。
たとえば、2026年の秋冬は野菜の価格がとても安かった。キャベツや白菜が驚くほど安く売られていました。 なぜか。単純に、流通量が市場に溢れていたからです。
品目によっては、生産が増えすぎると価格が暴落する。 価格が暴落すれば、農家のモチベーションは下がる。 モチベーションが下がれば、農家はやめていく。 結果、自給率はさらに上がらない。
【図解2:止まらない悪循環】

食品業界が「困った、困った」と言う本当の理由
ここで、最初の話に戻ります。
食品業界(2次産業・3次産業)の人たちは「このままでは自給率が上がらない、もっと生産を増やしてくれ」と農家に求めます。
ところが、農家が生産を増やして価格が下がれば、仕入れ側はむしろ安く仕入れられて助かります。
つまり、「自給率を上げよう」という空気に、私たち農家が乗せられて、知らないうちに無理な生産を背負わされている側面がある。 これは、国や自治体の発信にも、同じ構造が見られます。
農家がやるべきことは、たった一つ
困った困ったと言っている人たちの空気に、乗る必要はありません。
私たち農家がやるべきことは、
需要と供給のマーケットを淡々と見ながら、必要なものを必要な分だけ、必要なところに届けること。
これだけです。
食料自給率を上げることそのものを、農家の使命にする必要はありません。 消費者としっかりつながり、必要なものを届ける。 生産者・流通とつながり、その仕組みをつくる。
これが、私たち農家の本当の役割だと、私は思っています。
まとめ
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食料自給率で一番困っているのは、農家ではなく食品業界(2次・3次産業)
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日本の食料自給率は、肥料・飼料・ひな鶏まで含めるとほぼ輸入依存
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世界の食料問題は「量」ではなく「流通」の問題
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自給率向上の空気に乗せられず、需要と供給を見て届けることが農家の使命
農ビジ会では、こうした個別相談を無料で受け付けています。 気になる方はお気軽にご相談ください。