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ブログ 2024.10.17
やる気スイッチが入る瞬間
こんにちは。全国で講演、セミナー研修など行っている
農業講演家の山下弘幸(やましたひろゆき)です。
農業歴35年。親元就農後、個人、法人の農業経営を経て
農業コンサルタントに転身し、
現在、新規農業者、若手農業者、企業農業参入支援などをしています。
具体的には、稼げる農業を実現する
”1歩先行く農業者”のオンラインコミュニティ
「農業ビジネススクール(農ビジ会)」を主催し
全国200名の農業者と毎月勉強会や情報交流を行っています。
また、定期的に更新しているyoutube(農テラスチャンネル)では
全国の農業者へ「農業経営・農業ビジネス」の最新情報をお届けしています。
さて、今回の山下弘幸農ビジコラムテーマは
「やる気スイッチが入る瞬間」
今回は先日農大の講義を終えての感想です。
農業者を指導される立場の方、人材育成をされている方、
また後輩を指導する立ち位置に方に読んでいただきたい内容になっています。
【目次】
・スイッチ
・指導者を目指すきっかけ
・名プレイヤー名監督にあらず
・講義のプレッシャー
・まとめ
^^^^^^^^^^^^^^^^^
【スイッチ】
講義が終わるとほとんどの学生は教室を出て次の講義に備える。
ただ、最後までレポートを書いていた学生が
教壇でpcを片付けていた私のところに来た。
山下先生、今日の講義でやる気出ました。
俺、頑張ってみようと思います。
学生に「スイッチ」が入ったと思った。
自分の若いころと重なった瞬間でもあった。
そして指導者を目指してきてよかったと思った。
先日、母校でもある熊本県立農業大学校で講義する機会をいただいた。
実は、農大のカリキュラムの中で「アグリビジネス講座」の講師を
毎年担当させていただいています。
ただ、農大で講師を務めるのはくすぐったい。
なぜなら、私が在学中不真面目でできの悪い学生だったからだ。
やる気もない、目標もない、まったく覇気のない私に
当時の先生たちは私に手を焼いていた。
「山下、お前やる気がないんだったら、農大辞めろ!」
何度も何度も繰り返しそう言い続けられ、
結局は出席日数ギリギリで単位もギリギリで追い出されるように卒業した。
学生時代、やる気がなかったのはなぜだろう?
私が農大に在籍していたのは1987年ごろ。
昭和62年。世の中が浮かれていたバブル景気真っ只中だった。
当時の私には大人たちは皆浮かれているように見えた。
そして誰も自分に向き合ってくれていないような
そんな気がしていた。
当時の私が知りたかったのは未来、将来の話だった。
可能性、希望、そして夢を膨らませてほしかった。
18歳の学生はとにかく感受性が強い。
おそらく私もそうだったのかもしれない。
自分ではどこにあるのかわからない「やる気スイッチ」
だから誰かに押してほしいと思っていた。
山下先生。あの子、昨日までずーっと学校辞めたいって言っていたんですよ。
その様子を見ていた農大の先生がそう教えてくれた。
スイッチの入らなかった学生時代を過ごしてきた経験が
今こうして活かされている気がした。
【指導者を目指すきっかけ】
私が指導者を目指すきっかけになったのは、農大を卒業後に
親戚の叔父からもらった本だった。
その本のタイトルは「農魂」著者は「松田喜一」氏。
戦後の農業振興時代、全国に弟子がいるというカリスマ農業指導者だ。
先生の弟子だったという叔父から聞いた話では
研修時期になると全国から若手農家が押し寄せ、松田農場の最寄り駅である
「川尻駅」には松田先生からの指導を受けようと3000人の行列ができたという伝説がある。
なぜ、当時の若手農家は松田先生に熱狂したのか。
それは、「希望」があったからだ。松田式農法は麦の生産量を飛躍的に向上させた。
その噂が困窮していた若手農家に「希望」を与えたのだ。
つまり、弱小小作農家も技術を身に着ければ農業で食べていけるという希望を与えたのだ。
【名プレイヤー名監督にあらず】
当時、学歴もない資格もない、まして勉強もやってこなかった私が
指導者(教育者)になれるなんて努々思わなかった。
ただ、この本に触れて、漠然とだけど、
「いずれは私も人に影響を与えるような人間に成りたい」と強く思った。
そして、可能性は「ある」と思っていた。
なぜなら、プロ野球選手は引退後に指導者になっていたからである。
それも、「名プレイヤー名監督にあらず」という言葉もあるように
プレイヤーとして活躍していなくとも監督として、指導者として活躍する
野球選手は多い。
有名なところでは「侍ジャパン」を率いた栗山監督だ。
彼はプレイヤーとして大きな実績や記録、記憶も少ない。
ただ、指導者としてチームを世界一に導き、
あの「大谷」選手も育成した。
【講義のプレッシャー】
先日、私の講義を受けた学生のレポートが送られてきた。
どれもびっしりと書き込まれている。
寝ている学生も数人いたが、ほとんどの学生は身を乗り出すように
私の話を聞いていた。
Youtubeやオンラインセミナーなどを含めると
年間200本以上の講演セミナーをやっているが、
正直農大の講義が一番難しい。
なぜなら受け取り側である
学生の受信チャンネルに合わせなければいけないからだ。
私は農大10期卒。
今、講義を受けている学生は47期生。
37歳も違う(笑)
どうやれば今の学生に響く話ができるだろうか?
講義の依頼を受けてから考え続けた。
今の学生が共感できる話は何だろう。
どういうメッセージを伝えれば彼ら彼女らの人生に役立つのだろう。
私はこれらを学ぶために、積極的に学生からの相談を無料で受けている。
先日も法政大学3年生から論文のテーマにスマート農業を選んだからということで
3時間たっぷり学生らとディスカッションを楽しんだ。
【まとめ】
20代から目指してきた指導者(教育者)の道。
「農業者の人材育成」という生き方を選んだのだが、
学生と向き合うのは至難の業だ。
そして学生に自分自身と向き合わせるのは、もっと難しい。
なぜなら、いまどきの「学生」は何に希望を見出すのかが
わからないからだ。
今回の農大講義ではなんとか数人の学生に「スイッチ」を
入れることができた。
講義中、数人の学生が頷いて私の話を聞き入っていた。
他にもある学生が何かに気づいたように目を輝かせた瞬間もあった。
松田先生みたいになるにはまだまだですが、今回の講義で少しは手ごたえを感じた。
だから、もっと農大生の「スイッチ」を想像し、
農大生がワクワクするような未来を創造したいと思います。
いつも長い長いメルマガを読んで下さりありがとうございます。
メルマガ読者の皆様や講義を受けてくれる学生のおかげで
私も成長させていただいています。心より感謝申し上げます。
そして、これからも
農業界を明るく照らす「農テラス」を宜しくお願いいたします。
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農大生に熱血講義② 社会を先読み出来る方法
10月21日配信
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