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ブログ 2026.11.02

設計図どおりなのにネジが余る ― ゴールのないマラソンを走る農家の盲点

設計図どおりなのにネジが余る ― ゴールのないマラソンを走る農家の盲点

タンスを組み立てると、夫婦ゲンカになる

ネットで頼んだ簡易タンス。
箱を開けると、部品と一緒に説明書が入っています。

私は説明書をしっかり読むタイプです。
1番から順番どおりに組み立てないと、気がすまない。

一方、うちの奥さんは説明書を読みません。
だから、必ずケンカになります。

最後は私が「じゃあ、あなたが作ってよ」と匙を投げる。

すると奥さんは、あっという間にタンスを完成させるんです。

「え? どうしてそんなことができるの?」
そう聞く私に、奥さんはひと言。

「だって、ここに写真があるでしょう」

奥さんが見ていたのは「完成図」だった

箱や説明書には、完成した姿の写真が載っています。

奥さんはそれを見て、出来上がりをイメージしている。
だから「この部品はたぶんここ」「ここから先に組めばいいはず」と、仮説を立てながら進められるのです。

これを農業に置き換えてみると、ひとつの問いが浮かびます。

自分の農業の「完成予想図」を、持っているだろうか。
そこへたどり着くための「設計図」を、持っているだろうか。

ゴールのないマラソンを走っていた20代・30代

私はこれを、よく地図にたとえます。

地図にはまず「現在地」があります。

栽培面積はどのくらいか。
収量はどれだけあって、平均いくらで売れたのか。
経費はどこに、どれだけかかっているのか。
だから利益はいくらで、昨年と比べてどうなのか。

そして地図には「ゴール」があります。

「あなたの地図のゴールはどこですか?」
そう聞かれて、すぐに答えられる人は多くありません。

毎日の作業に追われて、考える余裕がないのが当たり前だからです。
がむしゃらに野菜を作る。それはそれで、立派なことです。

ただ、ゴールのないマラソンを走っていると、ある日ふと気づきます。

「あれ? 俺、どこに向かってるんだろう」

ほかの人がゴールした話を聞いて、「あ、そっちだったのか」と焦る。
今走っている道が合っているのか、急に不安になる。

20代後半から30代後半の私が、まさにそうでした。

何が正解かわからない。
周りがすごく見える。
隣の芝生は、いつも青い。

経営を悪化させて、ようやく見えてきたことがあります。
私には、自分の地図がなかったのです。

【図解1】

画像

私が持っていなかったのは「ビジョン」だった

今年、時価総額でトヨタを抜いて国内トップになったソフトバンクグループ。
率いる孫正義さんも、経営に必要なのは「ビジョン」だと語っています。

ビジョンとは、つまり完成予想図のこと。

そこで私は、ビジョンを決めました。
「何歳までに、こうなる」と。

そこから逆算します。
達成するには、何をすればいいのか。

これが、私にとっての設計図になりました。

私の設計図は「予実管理」

その設計図は、「予実管理」と呼ばれるものです。

手順はシンプルです。

まず、絶対に残したいお金を決める。
「農業所得はこのくらい」と。

次に、それを残すために使っていいお金を割り振る。
いわゆる予算分けです。

そして、その予算をオーバーしないよう、あの手この手で経費を工夫する。

こうして私は、自分の地図を見ながら、自分で決めたゴールを目指してきました。

ゴールにたどり着いて、爽快な気分を味わったら。
また、次の地図を描きます。

【図解2】

画像

それでも、ネジは余る

ここまで書くと、ずいぶん計画的な人間に見えるかもしれません。

ところが、です。

たまに奥さんから「だったら、あなたが作りなさいよ」とタンスを任されます。

私は設計図どおり、1番から順に組み立てる。
「できたー!」と、得意げに完成品を見せる。

すると奥さんがひと言。

「あれ? このネジ、なに?」

そう、部品が余っているのです。

「設計図どおりに作ってるのに、なんで間違えるのかね〜」
毎回、あきれられています。

何度も説明書を読み返しながら進めても、うまくいかない。
私はそのくらい不器用な人間です。

完成図を見ただけでパパっと作れるセンスが、正直うらやましい。

設計図があれば、何度でも作り直せる

それでも、この経験からわかったことがあります。

完成図があれば、設計図があれば、何度でも作り直せるということ。

ネジが余っても、どこで間違えたのか戻って確かめられる。
道に迷っても、地図を広げれば現在地がわかる。

いちばん困るのは、設計図がないこと。
もっと困るのは、完成図そのものがないことです。

あなたは今、何を作ろうとしていますか?

その答えが、あなたの地図の最初の1ページになるのだと思います。


「自分の完成予想図をどう描けばいいかわからない」
「予実管理を始めたいけれど、どこから手をつけていいか迷っている」

そんな方は、無料相談でお気軽に声をかけてください。
同じように地図を描きながら走る仲間と学びたい方は、農ビジ会でお待ちしています。

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今日も一緒に、こちらの脳を耕しましょう!

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