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ブログ 2026.08.10

農業で自分に合う道を見つける3つの視点

こんにちは。脳を耕す農業講演家の山下弘幸です。

「農業は安定しない」「値段は上下する」「上には上がいる」——これらは農業を続けていれば、遅かれ早かれ誰もがぶつかる現実だと思う。

僕の場合、いろいろ試してようやくこの3つの視点にたどり着いた。遠回りだった気もするが、振り返ると、この3つに早く気づけていたら、もっと早く自分に合う道を選べていたかもしれない。今日はその話をしたい。

「合わない」を重ねながら見つけた道

学生時代、僕は飲食店の厨房でバイトをしていた。盛り付けもホールの仕事もそれなりにできるのに、なぜか配達だけはどうしてもうまくいかなかった。道に迷ってばかりで、正直「向いていない」とすぐに気づいた。

その後、深夜のゴミ収集のバイトを始めた。今で言う夜間の配送や物流の仕事に近い感覚だろうか。これは意外と悪くなかった。ただ、深夜の仕事をずっと続けていくのは、自分には合わない気がした。

そして卸売の現場でのバイト。トラックへの積み込み、リフトの運転。今なら倉庫管理やオペレーターの仕事に近いかもしれない。ここで初めて「これは得意だ」という感覚があった。成果が見える仕事が、自分には合っていたのだと思う。

農業に本格的に入ってからも、同じことの繰り返しだった。実家はスイカ農家だったが、この重たいスイカを一生作り続けるイメージは自分の中になかった。もちろん、ずっとスイカを作り続けて今も活躍している友人はたくさんいる。「合う・合わない」は人それぞれなのだと思う。

スイカからナスに変わったけれど、これもしっくりこなかった。振り返ると、自分が求めていたのは「軽くて単価の高いもの」だったらしい。最終的にたどり着いたのがベビーリーフだった。

経営のスタイルもいろいろ試した。親子での経営は喧嘩ばかりだったし、個人経営は労力の限界がすぐに来た。人を雇う経営、法人化して従業員をたくさん雇う経営も試したけれど、これもしっくりこなかった。

そうやって「違う」を重ねた末に、たまたまたどり着いたのが、農業のやり方を解説したり、教えたりする今の仕事だった。遠回りだったのかもしれないが、試した数だけ「自分に合うもの」が絞り込まれていった感覚がある。

色々やってみて「自分に合わない」ことがわかった

早く気づきたかった、3つの視点

① 農業はそもそも安定しない

自営業である以上、農業に限らずどんな仕事も本質的には安定しない。トヨタのような大企業でさえ、為替が1円動くだけで数千億円単位の売上が変わると言われる。安定しているように見えて、実はそうではない。

だとすれば、「安定させよう」とすることより、「安心できる状態をどうつくるか」という視点の方がしっくりくる。値動きに振り回されない仕組みをどう組み立てるか、という話になっていく。

② 同じ値段がいい人、乱高下が好きな人

値段が上下することにワクワクする人もいれば、平常心を保てる方が心地よい人もいる。契約栽培のように値段を固定するやり方を選ぶ人もいれば、あえて相場に挑んで高値がついた時の喜びを求める友人もいる。どちらが正解ということではなく、どちらが自分の性質に合っているか、という違いなのだと思う。

③ 上には上がいる

若い頃は「まず町で1番、次は県で1番、いずれは日本で1番に」なんて考えていた時期もあった。でも、どれだけ頑張っても、この業界には上には上がいる。

そこで見えてきたのが、「王道で戦わない」という選択肢だった。隙間を探し、自分にしかできない道を探していく。結果的にそれが、今の仕事につながっている。

行動したからこそ気づいた視点

早く試すほど、選べる時間が長くなる

平穏に、生活の質を上げながら農業を続けていくスタイルも、もちろん素晴らしい選択だと思う。一方で、何かに挑戦したい、抜きん出たいという気持ちがあるなら、この3つの視点に早いうちに気づけると、遠回りの距離が変わってくる。

「これは違う」と気づくスピードが早いほど、「これだ」に出会える確率も上がっていく。遠回りに見えた道のりの一つひとつが、実は答えにたどり着くための材料だったりする。

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