新着情報
What’s new
ブログ 2026.07.26
高く売れるのに農家がやりたがらない、たった一つの理由
ストック型農業をやると、なぜ売るのが得意になるのか
皆さんこんにちは。 農テラスの山下弘幸です。
今日は「稼ぐ農家になる講座」の中でも、マーケティングの話をします。
テーマはこちらです。
「ストック型農業をやると、売るのが得意になる」
作業をしながらでも大丈夫です。 一緒に頭を耕していきましょう。
そもそも「ストック型」とは何か
「ストック型農業って何?」と思った方も多いはずです。
ビジネスの世界では、よく「フロー型」「ストック型」という言葉が出てきます。
-
ストック型:Amazonプライムやサブスクのように、定期的にお金が入り続けるビジネス
-
フロー型:ラーメン屋のように、売った分だけその都度お金が入るビジネス
農業でいうと、多くの農家さんは「フロー型」です。
収穫 → 市場や卸に納品 → 出荷 → 入金。 また作って、また売って、また入金。 このサイクルです。
一方で、自分のところで在庫を持ち、お客様に定期的にお米や野菜を届ける農家さんもいます。 これが「ストック型」です。
ストック型は「一見良さそう」だが、実は大変
ストック型は、一見メリットが多そうに見えます。
でも実際は、かなり大変です。
理由はシンプルです。 自分のところで在庫を抱えなければいけないからです。
フロー型なら、収穫したらすぐ市場に渡して現金化できます。 自分の手を離れれば、それで終わりです。
ところがストック型は違います。
-
在庫を蓄える
-
その都度、小分けにする
-
袋詰めする
-
配達する
このすべてを自分でやらなければいけません。
在庫を抱えるほど「目減り」していく
さらに厄介なのが、時間が経つほど品質が劣化することです。
11月、12月頃はまだいいでしょう。 でも2月、3月、下手すると5月、6月まで在庫を持ち越すとどうなるか。
カビが生えるようなことはなくても、何らかの形でロスが出ます。
「10採れたはずなのに、出荷できるのは9だけ」
こういうことが普通に起こります。
特ににんにく、じゃがいも、玉ねぎなど、保存が前提の作物ではこの傾向が強く出ます。
手取りが少ない本当の理由
ここで、多くの農家さんがやっていることを振り返ってみましょう。
市場や卸に納品して、出荷して終わり。
これは一見「早く終わってラク」に見えます。 でも実際は、その後の手間をすべて外注しているということです。
農協への共販でも同じです。 箱詰めから選別まで、すべて外注しています。
つまり、「そこから先の面倒くさいこと」を全部外しているから、結果的に手取りが少ないんです。
手取りが少ないのが嫌なら、この面倒くさいことを自分でやっていくしかありません。 これが1つ目の結論です。
高く売りたくて直売を始めても、続かない理由
「高く売りたいから直売を始めよう」
こう考える農家さんは多いです。
でも、結局続かないケースがほとんどです。
なぜか。
氷価格(卸価格)より高く売れるから儲かると思っても、やらなければいけないことが煩雑になるからです。
-
ストレスが増える
-
仕事量が増える
-
結局やめてしまう
こうなるくらいなら、「取れたものをすぐ市場や農協、卸業者に渡した方が楽だ」と気づくべきです。
農家は「作ること」に専念した方がいい
ここまでの話を整理すると、こうなります。
-
ストック型は面倒くさいのが本質。(在庫)にしていかなければならないから
-
市場や卸に納品して終わりというのは、その後の手間を外注しているということ
-
買っていただく心境こそが、売れる農家を作る
もし皆さんが、収穫から選別、箱詰め、袋詰め、販売、配達、さらには店頭に並べるところまで全部やれるなら、高く売れます。
でも、それを全部自分でやり切れる人は限られます。
だからこそ、**「私たちは作ることに専念する。その先の面倒な手間は誰かにお願いする」**と割り切ることが大切です。
そう考えると、卸業者や市場との良い関係ができて、販売がうまく流れるようになります。
まとめ
-
農業の基本は「フロー型」。作って、出荷して、入金される
-
ストック型は高く売れる可能性がある一方、在庫管理・小分け・配達などの手間とロスのリスクを自分で背負うことになる
-
手取りが少ないと感じるなら、「面倒くさい部分」を自分でやるか、外注しているという事実を受け入れるかを選ぶ必要がある
-
農家は「作ること」に専念し、その先の工程はプロに任せた方が うまくいくケースが多い