こんにちは。農業講演家の山下弘幸（やましたひろゆき）です。

農業歴34年の農業コンサルタントです。現在、講演、講座、研修、セミナーなどで

新規農業者、若手農業者企業農業参入などをサポートさせていただいていております。

また、

”稼げる農業を実現する半歩先行く農業者”のオンラインコミュニティ

農業ビジネス研究会（農ビジ会）を主宰しています。

さて、今回の、農テラスブログのテーマは

「複業農家のススメ」

みなさんは「複業」してますか？

複業とはいくつかの仕事を掛け持ちする事です。

 

だから、農家に

複業農業をやりなさい。って言うと違和感を抱く方が多いかもしれません。

 

中には副業なら聴いたコトがあるけど・・

って方も多いかもしれません。

 

副業と複業の違いは次の通りです。

副業は今の仕事と別に仕事を掛けもつこと。

複業はいくつかの仕事を掛け持つことです。

 

昔は二束のわらじは履いてはいけないとか、

二兎を追う者は一兎を得ず。などと一つのことに全集中しなさい。

という風潮でしたよね。

 

逆に今は収入源が1本しかないって

それって大丈夫？って時代になりました。

 

私の周りにも

農業やりながら、子供たちに勉強を教えたり、農泊させたり、イベントを開催したり

同時に複数のことをやっている農家の方がいます。

 

他にも農業やりながら、農産物の加工をしたり、マルシェに出展したり、

体験型農園を運営したりしている農家の方もいます。

 

つまり、複業って

収入源を増やすということなんです。

 

収入源が少ないと「ひとつの仕事」がダメになったら即効行き詰りますよね。

だから、収入が入ってくるポケットをいくつか持つのが需要なんです。

 

いやいや、一つの仕事をやるのでも時間が足りないのに

３つも４つも仕事できないよーって。

そう思われるかもしれません。

 

でも、現にいくつもの事業を同時に進めている人がいるのも事実なんです。

 

では、

ひとつの仕事しかできない人と、

幾つかのことを同時にできる人の違いって何でしょうか。

 

それは事業をどんどん人に任せていけるかどうかの違いです。

 

私はこれまでどんどん人に任せてきました。

自分でなくてもできることはどんどん人にやってもらう。

 

だから、農業も自分ではなく他の人にやってもらおうと思ったのです。

 

ただ、この考え方に「待った」を唱える勢力があります。

 

その勢力とは

「そんなことしたら、農家がいなくなっちゃうじゃないか！」

という考えの方々です。

 

農家がいなくなると「困る」という考えの方は

農家を「農業」に縛りつけようとします。

 

そして「農業」から逃げ出さないようにあらゆる手立て、工面を施します。

 

しかし、農業に縛り付けられた農家は「農業」しか知らないので

農業を発展させる「知恵」が生まれてこないのです。

 

それどころか、農業が発展するイメージすら描くことができないのです。

 

農業が発展するには「知恵」が必要です。

その知恵は農業の中からは生まれないのです。

 

ちょっと荒い言い方ですが

農業とは違う事業をやってみると「農業が視えてきます」

この「農業が客観的に視えた農家」は

農業を発展させる「知恵」を得ることができます。

 

手前みそですが、

私が勧めているハイブリッド型農業はまさにこの考え方に基づいています。

 

例えば直売所やECサイトで販売をやる農家は

農業×小売業の複業であり、ハイブリット農家です。

 

いちご狩りや芋ほり体験をやらせえている農家は

農業×サービス業

 

農産物の契約栽培のみならず、周りの農家の商品も

一緒に売ってあげる地域商社型農家は

農業×青果業という複業をやっているのです。

 

《参考動画》

いまどきの若手農家がやっている最新儲かる農業13パターン

https://youtu.be/-bYRhMjuq_E

 

“農業は生産事業だけやればいい”

そういう思考が農家を苦しめ、農業が衰退した要因の一つだと

思えてえなりません。

 

農業をおカネになるビジネスに変換させなければ

農地を農地として維持させることは不可能です。

 

農地から生まれたモノが材料として流通しただけでおカネに換金したところで

農家が潤わないのは明からです。

 

いやいや、山下さん、

農産物を材料としてJAや市場に出荷して儲かっている農家が

たくさんいるじゃないか！って

 

おっしゃる方もいますが、

 

その儲かっている農家を分析して得いくと実は農家独特の儲かりパターンが視えてきます。

例えば

減価償却が終わっているから支出が少なく利益が出ているとか、

家族労働で家族の負担で雇用費負担を軽減することで成り立っているとか

市場相場が平均より高かったことに助けられているとか、

収入保険、経営持続補助金など補てん金、農業事業収入以外の収入で成り立っているなど

どれも再現性の低いモデルばかりです。

 

《参考動画》

他の農家はどうやって儲かっているのか　王道編

 

いかがでしたでしょうか？

中にいるだけでは外が視えなくなることがいかに恐ろしい事か。ということを

今回はお伝えしたかったのですが、

 

最後に江戸時代のエピソードをひとつ。

 

江戸時代、各藩は次代を担う有望な若者には「遊行」といって

藩費を使って江戸に遊びに行かせていました。

自分の藩しか知らない若者に「よそ」を体験させるのです。

若者は見ることなすコトが新鮮で江戸で遊びまくります。

ただ、

江戸が楽しいからといってその若者が江戸に住み着くことはなく

その後、自分の藩に戻って江戸で学んだ知恵を存分に活かしたといいます。

 

複業農業のススメ。

今回はかなり偏った話になりましたが、

これはポケットを増やすことで農家の経営リスク分散という狙いと

農家が

本来の「農業」を発展させるヒントを見つける

重要な手段だと私は考えています。

 

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