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ブログ 2021.03.15
令和に入り明暗がはっきりと分かれた
こんにちは農業パーソナルトレーナの山下弘幸(やましたひろゆき)です。
今回の、農テラスコラムのテーマは
「令和に入り明暗がはっきりと分かれた」についてです
2019年の農業相産出額が12日農水省から発表された。
8兆8938億円だった。
前年比1.8%減。前年を下回るのは2年連続。2015年ぶりに9兆円を下回ったとのことです。
農水省の分析によれば前年に続き豊作に伴う野菜価格の下落が響いたと。
また、都道府県別にみても全体の4分の3にあたる36都道府県が前年を下回る結果になったらしい。
生産農業所得も同様に4.8%減の3兆3215億円で2年連続前年割れだった。
私は農業総産出額を農業の景気指数としている。
農業総産出額は昭和59年がピークで今より3兆円も多い11兆7171億円もあった。
それからずっと減少傾向で平成21年には8億1902億円まで減少した。
それから平成24年ころまで低迷していたが徐々に回復し、平成27年、28年は作型不良も重なり野菜価格が上昇した。
私は昭和60年に農大に入った。農業絶頂期の頃だ。
農業も世間と同じバブル期だった。我が家も儲かっていたし、世間の農家は浮かれていた。
このころまでが
「作れば売れる時代」である。
しかし平成3年バブルの崩壊とともに農業も不景気になった。
これからが「作っても売れない時代」になる。
平成21年までの18年間かなり農家は減少した。これはまずいということで
平成24年から農林水産省が新規就農対策の一環として青年就農給付金制度が始まった。
そのころから市場価格も回復し平成27年28年の市場価格上昇で農業界は活気づいた。
さらには平成27年TTP交渉が大筋合意され農業界は大きく揺れた。
そこで大きく予算を充てて農家にばらまいた。
低迷期から上昇期に変わり活気づく農家はその補助金に群がり
補助金以外の資金は借入してまでも設備投資に走った。
そして
平成29年~平成31年は豊作傾向で価格は下がった。
そして令和元年。ついに農業低迷期と同じ農業算出額が8兆円代になった。
平成24年以降就農したものは青年給付金の支給は終わり
平成27年頃に補助金を活用したものは設備投資の償還が始まる。
この期間に就農した若手農家や過剰な設備投資をした中堅農家が
今苦しんでいる。
【原理原則】
振り子は右に触れたら必ず左に触れる。
上がったものは必ず下がり、下がったものまた上がる。
私は平成24年から29年までの5か年間が農業バブルだったと思っている。
平成30年そのバブルははじけ、31年、令和元年と市場相場は下がり始め、
そして令和2年もまた豊作傾向で野菜価格は低迷した。
では
令和3年はどういう年になるだろうか。
これから先の日本農業はどうなるのだろうか。
おそらく大きな災害でもない限り農業の景気が回復することはない。
理由は豊作になったら価格が低迷するということは
農産物需要が国内では飽和しているということだから。
作れば売れる時代が平成に変わった時に終わった。
しかし、それに気づかず作り続けた結果価格低迷が続いた。さらにデフレ不景気も
影響した。
農家が減り生産量が危うくなり今度は「作れ、作れ」の大合唱。
そのタイミングで災害が各地で起こり農産物が足らなくなり市場では高値が続く。
アベノミクスで景気が回復したのも後押しして
農業界もまた好景気が続いた。
そしてまた作りすぎて市場価格が下降した。
皮肉なことにどこかで作型不良にならない限り農業算出額は上がらない。
農家を増やせと国や自治体は躍起になっている。
技術を上げて少ない労力で生産性をあげるスマート農業が注目されている。
生産性を上げるために国の予算をつぎ込んでいる。
その補助金を活用した農家が苦しんでいる。
農業はとにかく難しい。
がむしゃらに作ればいいわけじゃない。
いいもの作れば儲かるわけでもない。
これからの農業は
大きな経済社会の中で農業をやらないと経営判断を見誤ってしまう。
頑張れば頑張った分市場価格が低迷する。
農家が増えれば増えた分市場価格は低迷する
技術が進めば進むほど生産性が向上し市場価格は低迷する
農家が頑張れば頑張るほど国の予算は継ぎこまれる
国の予算がつぎ込まれた分それを活用した農家が苦しむ。
平成の30年間で
「作っても売れない時代」に対応できた農家と
対応できなかった農家。
令和に入り明暗がはっきりと分かれたようだ。
山下弘幸(やましたひろゆき)プロフィール
https://drive.google.com/file/d/14fXAndWHIsvojJLG_lhzU9ET_l8jAibR/view?usp=sharing
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