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コラム 2021.02.05
農家が抱える潜在的な不安
こんにちは農業パーソナルトレーナの山下弘幸(やましたひろゆき)です。
今回の、農テラスコラムのテーマは「農家が抱える潜在的な不安」についてです
WCS事業を経営されている農業法人の方から新しい事業をやりたいとの相談を受けた
稲発酵粗飼料(ホールクロップサイレージ、以下WCS)とは、稲の実と茎葉を同時に収穫し発酵させた牛の飼料です。
WCSの利用は、水田の有効活用や食料自給率向上に貢献する、と関心を集めています。
(農林水産省HPより)
WCSでは農家は10a/8万円の補助金がもらえる。この農業法人はこれらWCSの作業受託で1万円/反、その刈り取った飼料を畜産農家に販売することで2万円/反の売り上げを上げている。今のところ決して悪くない事業だ。
WCS事業は稲作農家の所得補償と畜産農家の餌代コスト削減の両面でメリットがあると
言われているように今タイムリーに事業といっても良い。
一方で、政府は2021年の米作りは36万t/年の作付け減を目標に転作を促している。
日本の主食であるコメの作付けを減らしてほしい。なぜなら米の値段が下がるから。
米の値段が下がれば農家は米を作らなくなる。そうなると田んぼを耕作しなくなり
景観を損ねるもしくは治水の役割、防災にも影響が出る。さらには耕作放棄されれば
獣害や犯罪などが潜む恐れも出てくる。もちろんこれまで耕作されてきた地がいったん荒れてしまえば元の耕作地戻すのはかなりの労力が必要となる。
農家に対して生かさず殺さずの政策が取られているのはこのような背景があるからである。
これが今の農業の現状であるが、これを解決する策としてWCSは期待されている。
今のところ畜産農家からの需要は大きい。米農家も主食米を作らずに牛用の米を作るのに
抵抗はあるものの背に腹は代えられないということでWCSへ転換する農家も多い。
しかし、市場原理において価格が守られていることに反対の意見も多い。
国民は主食であるコメの価格は安い方が良い。しかし自分たちの税金で自分たちが食べる
お米の価格を維持しているのだ。
さらに言えば今はもうお米を食べない。
高度経済成長期真っただ中の1962年度、日本人1人当たりコメの消費量は118.3キロだったが、その後、坂道を転げ落ちるように減少し、2016年度には半減以下の54.4キロとなったつま。つまり半分に減っているのである。
食べないお米の価格維持のために税金が投入されていることに疑問を投げかける消費者は
多い。しかし、政府はお米の値段を維持する目的だけでなく治水、国土保全、環境保全の
目的もある政策であるということも理解してほしいと訴える。
WCS事業も莫大な補助金(税金)が投入されている。耕地を守る政策はひいては農家を守る政策となるもし、農家が手を加えずに耕地を守ることができればその税金は農家ではなく違う誰かに使われるようになる。税金に守られている農家が心配でたまらない。
お上の顔色をうかがいながらいつはしごを外されるかわからない。農家が自立しない限り
この不安からは逃れられない。
山下弘幸(やましたひろゆき)プロフィール
https://drive.google.com/file/d/14fXAndWHIsvojJLG_lhzU9ET_l8jAibR/view?usp=sharing
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