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ブログ 2020.07.14

脳を耕せ!農ビジセミナー「メール講座」第29号

農産物を高く売る方法

 

脳を耕せ!農ビジセミナー「メール講座」
いつもご覧いただきありがとうございます。

農業界を明るく照らす
農業パーソナルトレーナーの山下弘幸(やましたひろゆき)です。

 

2020.2.26

世間ではコロナウイルスが猛威を振るっていますが、農業業界はもっと深刻な事態に
なっています

それは、
農産物価格低迷です。

新規農業者にとっては厳しい冬が続いていますね。
いや、新規農業者だけではなく、既存の農業者の方も苦悩が続いているようです。

今回は若手農業者をはじめ農業経営されている社長さんに向けて
価格低迷の農産物をどうやって高く売るかについて
お話させていただきます。

では早速、農産物を高く売る方法について・・・

ですが・・・・

答えは・・・

「そんな方法ない。」ということ。

なんだそりゃ?って、思われたかもしれませんが、

残念ながら、「今」あなたの野菜を高く売る方法はありません。

世間では
やれ「付加価値」をつければ売れるとか、
「おいしいモノ」をつくれば売れるとか言われていますが、

これらはマーケティングを勉強していない人の意見だと思っています。

そもそも、私たち農家は
野菜が高く売れるということがどういうことか理解しないといけません。

野菜が高く売れるとき。

それは「品薄」の時。

野菜が安い時。それは「豊作」でたくさん市場に出回っているとき。

であれば暖冬である今年、野菜の生育が潤沢であれば当然市場価格は下がる。

これは農業の原理原則です。

しかし、それをわかったうえでどうにかしてほしい。これが農業者の心情です。
私も何度も市場の価格暴落に泣いてきました。

そこで気づいたことは、市場価格が暴落しても涼しい顔して農業している人が
いるってことです。

私の周りにもそういう農業をやっている人がいました。

では、
その人たちはどうやっていたのか?

答えは市場価格ではなく、品物の価値を互いに決めて取引する

いわゆる市場出荷でない相対取引をやっていたんです。

相対取引とは
出荷する農家側と仕入れる青果業者側があらかじめ条件を決めて取引をすることを言います。

例えば農家側は
出荷量、商品規格、内容量、流通用の資材、ケース当たり単価、送料を取引先に提示します。
それを受けて青果業者側が
いつから、何をどれくらいほしいって要望を出します。
何度かこのやり取り(交渉)を経て、互いに折り合いがついた時点で
取引開始(商談成立)です。

この時、農家側が、価格交渉をするわけですが、
その交渉時期の市場価格を基準にすると面倒なことになります。

市場価格が高騰しているから高く買ってほしいっていう気持ちはわかりますが、
市場価格は乱高下します。ということは市場価格が下がった場合、取引先の青果業者さんは
値段を下げてくれって交渉してくるはずです。

これでは市場流通と何ら変わりません。

農業者側は製造原価(生産コスト)つまり原価計算をしたうえで卸価格を提示し、
青果業者側も仕入れ価格と次卸への価格を計算し互いがWINWINになるように
ならなければいけません。

この理屈を知らない農家は自分のことだけを考え高く売ろう、高く売ろうとします。
そうなると仕入れる側の青果業者はその農家から仕入れるのはやめようって
ことになるのです。

じゃ、相対取引をやったところで
青果業者さんに高くうれないじゃない!って言われるでしょう。

そうなんです。

相対取引ってけっして

「高く売っているわけ」

ではないんです。

相対取引って

「値ごろ感」って言って、

互いが損しない。互いが少し得する程度の価格で
互いに長く続けましょうねっていうやり方なんです。

このことが理解できなければ相対取引(契約栽培)なんてできません。

現在、卸売市場でセリで価格が変動しているのは
この、相対取引以外の流通です。

つまり、相対取引で市場が埋め尽くされた後、不足している部分が
競りにかけれているんです。

ですから、市場価格が暴落しても涼しい顔して農業している人って

取引先が決まているから野菜の相場で一喜一憂しないで済むような

仕組みを作っているだけなんです。

ここまで話をすると、

だったら、私も市場出荷や農協出荷をやめて
今すぐ相対取引を始めよう!って

思われる方もいらっしゃるかもしれません。

でもちょっと待ってください。

今始めるのはとてもタイミング的に良くないです。

理由は、今野菜の相場が低迷しているからです。

いやいや、さっき市場価格や相場は相対取引に関係ない!って言ったばかりじゃないですか!

いや、違うんです。

互いに取引価格を決めるときには市場価格は関係ないって言いましたが、

交渉するときは大ありなんです。

どういうことかというと
今、市場価格が低迷しているってことは・・・

そう、野菜が余っている。つまり買いたい人より売りたい人が多いってこと。

つまり買い手が有利なんです。

そんな時にバイヤーに交渉しても足元見られて終わりです。

相対取引を始めるときは、

市場価格が校としているとき。もしくはこれから価格が上がりそうな時です。

でも、そんな市場価格が高い時にフツーの値段で契約したら損じゃなないかって

思われるかもしれません。

確かにそうです。しかし、長い目で見れば

高い時にリーズナブルな値段で取引に応じてくれた生産者ってことで
青果業者さんからのイメージも良いですし、互いに利益が出れば長くその業者さんと
お付き合いができます。

そうなると市場に翻弄(ほんろう)されずに安定的な経営ができるのです。

今、市場価格が暴落している中、淡々と安定した経営をやっている農業者、農業会社は
こういった戦略で以前から取り組まれているのです。

なるほど、そういうことだったのか・・・・

って少しは納得していただけましたか?

でもこのメルマガを読んでくださっている方の中には

自分は相対取引で青果業者さんとやり取りするのは性に
合わないって方もいらっしゃるでしょう。

農協、市場に出荷していれば安い時もあるけれど、高い時もあるからそれでいいって
思われる方も多いでしょう。

私もそれでよいと思います。
これまでの農業もそうやって生き残ってきましたし、
これからいきなり、農協や市場がなくなるわけではないのですから。

しかし、

一つだけ平成の時代から状況が変わったことだけお伝えしておきます。

それは青果業界が「輸入」に依存し始めたということです。

青果業界が国内農産物にだけ頼る時代は終わったってことです。
簡単に言うと

これまでは産地間競争で日本国内のどこかの地域が天候不良や災害、
もしくは何かしらの病害虫で収量、出荷量が大きく減ったとします。

そうなる他の産地の価格が上がります。
このように、どこかの産地がやられるとどこかの産地が喜ぶといったように
産地は国内で利益を回していたんです。

ところが昨今は国内で災害、不作などの状況を予測されるときは

中国ベトナム台湾韓国からすぐに輸入して不足分を補うようになってきたのです。

つまり、産地間競争が国際間競争へ変化したのです。

これまでのように隣の産地が不作になれば自分の産地が良くなるといった
漁夫の利的な農業はなくなりつつあるのです。

市場出荷、農協出荷オンリーの農家の方々には
面白くない話だったと思いますが、残念ながらこれが実情です。

私が書いたこの仮説が外れて私がほら吹きだったって言われることがあれば
それはそれで農家が潤うので私としても本望です。

出来ればこの私の情報が間違っていてほしいものです。

さて、

今回は価格低迷の農産物をどうやって高く売るかについて
お話をしました。

結論は冒頭でお話した通り、「今」は、あなたの野菜を高く売る方法はありません!

って話でした。

しかし、これはあくまでも

「今」の話です。

「これから」あなたの野菜が高く売れる方法は

あります!

これから農産物は市場流通では高く売れない時代に突入しますが、

しかし、そんな中、唯一農産物を高く売る方法があるのです!

それが

「ダイレクト販売」です。

つまり、市場も青果業も通さずに直接消費者に売るのです。

当然、直接販売ですから中間マージン入りません。
更に卸業ではありませんので店頭価格、末端価格で売ることも可能です。

これこそが究極の農産物を高く売る方法だと思っています。

次回からは農産物を高く売る方法
ダイレクト販売のやり方についてお話したいと思います。

いつも長文を最後まで読んでいただきありがとうございます。

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