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コラム 2020.04.20
【農業コラム】コロナ禍の先に
現在私が執筆させていただいております
熊本日日新聞 夕刊 「一筆」に連載中のコラムをお届けします 4月17日付
野菜の収量が低下する理由は三つあります。
害虫や野生鳥獣による食害、植物の成長を妨げる物質による生理障害、そして病害です。
中でも病害が厄介なのは、原因である病原菌が目に見えないから。
菌は一定の条件がそろうと爆発的に繁殖し、やがて野菜を全滅させてしまいます。
世間で猛威をふるう新型コロナウイルスも目に見えません。
拡大を抑制するため感染者の隔離と人の移動制限が行われていますが、
今の私たちにできることは不要不急の外出を控え、
手洗いや室内の換気、せきエチケットの徹底しかないようです。
このパンデミック(世界的大流行)は、農業にどのような影響を与えるでしょうか。
一つには「売り方」が大きく変わるとみています。
一般的に農産物は生産者から卸売市場を介して仲買人、小売店へと売られていきますが、
このお店での感染拡大も懸念され始めています。
レジ並びに間隔を開けたり、店内を入場制限したりと対策は講じられていますが、
お金からも感染の可能性があるといいます。
となると、宅配サービスやネットショッピングの需要が急激に高まると予想されます。
このまま人の移動が抑制されれば、流れはなおさら加速するでしょう。
今こそ農家は自分のサイトを作り、ネットで野菜を売る検討を始めてはどうでしょうか。
なぜなら、目に見えにくい「需要」もまた、一定の条件が整うと爆発的に拡大するからです。
消費者の購買行動が大きく変わる今こそ、ピンチをチャンスに変える工夫が求められています。