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ブログ 2026.11.05
値段は「決まる場所」で変わる。農家は買い手と、どこで出会えばいいのか
さて、今週のテーマ
値段は「決まる場所」で変わる
競りに任せる売り方から、買い手と出会う売り方へ

米の値段は、作り手の都合では決まらない
今週、こんな数字が出ました。
スーパーで売られている米の平均価格は、5キロ当たり2,811円。
去年の同じ時期と比べて、およそ4割安くなりました。
米の価格は、生産コストの目安となる「コスト指標」を下回り、
農林水産大臣は「需要に応じた生産を徹底したい」と発言しています。
高騰したかと思えば、今度は下落。
ここで、ひとつ考えてみてください。
なぜ、農産物の値段は、これほど大きく動くのでしょうか。
市場に出荷する売り方では、その日の「量」と「欲しい人の数」だけで
値段が決まります。
肥料代や燃料代、人件費がどれだけ上がっても、
競りの値段には反映されません。
つまり、値段が決まる場所に、農家はいないのです。
買い手が海外産を選ぶ理由
では、農業ではどうすればいいのか。
答えの一つが、「値段を話し合える相手」を自分で持つことです。
その前に、知っておきたいことがあります。
買い手が海外産を選ぶのには、理由があるのです。
海外産、とくに中国産は、安いだけではありません。
一年中、決まった時期に、決まった量が、
同じ品質で、同じ値段で届く。
「定時・定量・定品質・定価格」。
お弁当やお惣菜をつくる会社にとって、
これは手放せない条件です。
潮目は、変わり始めている
ただ、流れは変わってきました。
中国の人件費の上昇と、歴史的な円安で、
海外から仕入れるコストは上がり続けています。
農林水産省も「国産野菜シェア奪還プロジェクト」を立ち上げ、
業務用の野菜で輸入に取られた3割を、
国産に取り戻そうと動き出しました。
つまり今、国産を直接仕入れたい会社が増えているのです。
売り先との出会い方は、3つしかない
先日、会員さんのお手伝いで、食品の商談会に行ってきました。
会場には、飲食店、スーパー、青果の卸、加工会社と、
仕入れ先を探す買い手が大勢集まっていました。
ところが、農家の出展は、数えるほどしかなかったのです。
売り先との出会い方は、3つしかありません。
飛び込み営業の「ナンパ」。
取引先に頼む「紹介」。
そして、買い手と売り手が集まる「お見合い」、つまり商談会です。
その会員さんは、1日で60社と名刺を交換しました。
見込みがありそうなのは、その3分の1の20社ほど。
具体的な商談に進むのは5社ほどで、
実際に取引が始まるのは2〜3社です。
少なく見えるかもしれません。
でも、出展料10万円は、名刺1枚あたり2,000円弱。
1社と年間の取引が決まれば、
何百万円、何千万円という売り上げにつながります。
そして「紹介」は、いちばん確実な出会い方です。
ただし、紹介してもらえるかどうかは、
日頃の取引の姿勢で決まります。
約束を守る。返事が早い。相手の都合を考える。
紹介する側の信用が、かかっているからです。
最後に、農業を続けている皆さんへ
「これから農家が減れば、国産は足りなくなる。
黙っていても値段は上がるはず」
そう考える方もいるかもしれません。
でも、数字は少し違う景色を見せてくれます。
農産物を売っている農家の数は、
1990年の約297万戸から、2020年には約103万戸へ。
30年で、およそ3分の1になりました。
一方で、農業全体の産出額は11.5兆円から8.9兆円へ。
減り方は、2割ほどにとどまっています。
減った分を、残った農家が引き受けてきた。
そうやって力をつけた農家が、
今、売り先を選べる側にいるのです。
買い手は、皆さんが思っている以上に、
「国産を、農家から直接仕入れたい」と考えています。
買いたい人はいるのに、売りに来る農家が少ない。
このすき間こそが、チャンスなのです。
作る力に、「出会う力」を。
それが、価格の波に振り回されない農業経営の土台になると、
私は考えています。
今週のnoteでは、この商談会の話をくわしく書きました。
よければ、こちらもどうぞ。
https://note.com/nougyou_business/n/ned2cd664534f
農業界を明るく照らす農テラス
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