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ブログ 2026.06.22
どんぶり勘定で5年、口座がゼロになった話。
農業も商売だとするならば・・・
商売の基本は安く仕入れて、高く売る。これが基本です。
でも今、農業をやっている多くの人が、この「当たり前」をできていない状況に追い込まれています。
なぜかというと、仕入れコストが年々上がり続けているからです。
肥料、農薬、燃料、資材。どれを見ても値上がりしています。
一方で、農産物の値段はどうでしょうか。
コストが上がったからといって、売値がすぐに上がるわけではない。
スーパーの棚に並ぶ野菜の値段は、消費者の財布と相談しながら動いています。
農家がいくらコストを積み上げても、それがそのまま価格に反映されるわけじゃない。
つまり、挟み撃ちです。
コストは上がる。でも売値はそう簡単には上がらない。この状況を放置していたら、じわじわと経営を圧迫されていきます。
だからこそ、今これまで以上に
コストにシビアになる必要があります。
自分の経費を、もう一度ちゃんと見直す時期に来ています。
ここで私の話をさせてください。
私はかつて農業に従事していました。
そのころは正直、どんぶり勘定でした。
お金の出入りをちゃんと把握していなかった。
でも当時は景気も悪くなかったし、
作ったものがしっかり売れてお金も入ってきていたので、
それで何とかなっていたんです。
じゃぶじゃぶ使っても、収入がそれを上回っていた。
だから気にしなかった。いや、気にしなくて済んでいた、
というのが正確なところです。
どんぶり勘定で5年、口座がゼロになった話。
その甘えのツケが来たのは、農業経営を始めて5年後のことです。
気がついたら全くお金がなかった。
口座を見て、本当に焦りました。
「なんでこんなことになったんだろう」って。
追い込まれて初めて動く、というのはよく言われますが、
まさに私がそれでした。
その時になって初めて、お金の勉強を始めました。
経費って何なのか。
毎月いくら出ていっているのか。
何にどれだけ使っているのか。
それを一つひとつ確認していったんです。
やってみて気づいたことがあります。
思っていたよりも、ずっとお金が出ていっていた。
しかも、よく見ると「これ本当に必要だったか?」
というものも混じっていた。
毎年なんとなく更新していた資材、
使い方がよくわからないまま入れていた資材、
惰性で続けていた契約。
それらが積み重なって、
知らないうちに利益を削っていたんです。
「どんぶり勘定」のこわいところは、
それをやっている間は気づかないことです。
それと、もう一つ心理として
気になってはいるが、数字を見たくない
という状態に陥ります。
だから、数字を見ないでいいように更に自分を忙しくして
更に経営を悪化させてしまうのです。
意外と、収入があれば「回っているように見える」。
でも水面下では利益が薄くなっていっている。
そして気づいた時には手遅れになりかけている。
私がそうでした。
では、どうすればいいか。
まずやることはシンプルです。
毎月、お金の出入りを確認する習慣をつけることです。
確定申告のときだけ帳簿を開く、
という人がいます。それでは遅い。
1年分まとめて見ても、もうそのお金は使ってしまっている。
問題に気づいても、対処できるのが翌年以降になってしまう。
毎月チェックすることで、早い段階で異変に気づける。
「今月、この経費が想定より高かった」
「去年の同じ時期と比べてどうか」
こういうことが見えてきます。
これは、ダイエットに挑戦する人にも同じことが言えます。
体重計に乗る習慣がある人はちょっと体重が増えた時に
やばい!ちょっと太ってきた・・・って
間食を減らしたりします。
しかし、体重計に乗ること自体を恐れていると
あっ、・・・終わった・・・
もう、今から頑張っても・・・
ってな具合に
取返しのつかないようになるのです。
では、具体的に何を見ればいいか、整理しておきましょう。
まず、固定費と変動費を分けて把握することです。

固定費とは、売上にかかわらず毎月かかるお金です。
機械のリース料、保険料、土地の賃借料などがこれにあたります。
変動費は、作付けの規模や時期によって変わるもの。
肥料や農薬、種苗代などです。
この二つを分けて把握するだけで、
「減らせるもの」が見えてきます。
固定費は一度見直すと、毎月の効果が積み上がります。
変動費は、使い方の工夫で削れるものが出てきます。
次に、売上から経費を引いた「手元に残るお金」を意識することです。
売上が高くても、経費がそれ以上にかかっていたら意味がない。
農業の場合、売上が大きく見えることがあります。
でも肥料代、農薬代、機械の燃料代、人件費を引いていくと、
手元に残るのはわずかだった、ということが起きやすい業種です。
売上ではなく、残るお金を意識する
ここが大事です。
それから、去年と比べることです。

毎年月々の経費を記録する
今年の4月の経費と、去年の4月の経費を並べてみる。
増えているなら、なぜ増えたのかを考える。
物価上昇の影響なのか、使用量が増えたのか、
それとも必要のないものが増えたのか。
この比較をするだけで、異常に気づきやすくなります。
「お金の計算は苦手だ」という人も多いと思います。
私もそうでした。数字を見るのが面倒で、
後回しにしてしまう。
気持ちはよくわかります。
でも、苦手なら苦手なりの対処法があります。
自分でやらなくてもいいんです。
帳簿をつけるのが得意な人を雇う。
農業法人であれば経理担当を置く。
個人農家であれば、家族の中でお金の管理が得意な人に任せる。
あるいは農業に詳しい税理士や会計事務所に依頼する。
そういう選択肢があります。
大事なのは、誰かが把握している状態を作ることです。
自分がやらなくていい。
でも「誰も把握していない」という状態だけは避けてほしい。
農業は、作ることに集中するあまり、
売ることやお金の管理が後回しになりやすい。
でも経営として続けていくためには、この三つが全部必要です。
作ること、
売ること、
そしてお金を管理すること。
今一度、自分の経費を見直してみてください。
毎月、通帳を開く。
レシートを確認する。
去年と比べてみる。
それだけでいい。
小さな習慣が、じわじわと経営を守っていきます。
私は追い込まれてから動きました。
でも皆さんには、追い込まれる前に動いてほしいと思っています。
農業経営のお金まわりについて、もし一人で考えていてもよくわからないという場合は、農テラスの無料相談を使ってみてください。
経費の見直し方や、数字の整理の仕方について、一緒に考えましょう!