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コラム 2021.01.12
農家が息苦しさから逃れられない理由
農家が息苦しさから逃れられない理由
こんにちは農業パーソナルトレーナの山下弘幸(やましたひろゆき)です。
今回の、農テラスコラムのテーマは 自分の価値観について
自分だけの世界、自分だけの視野で物事考えると
息苦しさを生み出す
私も20代のころ、自分ルールでもがき苦しんだ
例えば
・日が暮れてから仕事はしてはいけない
・朝早く農場に行かなければならない
・農協の言うとりにしなければならない
・近所から後ろ指刺されることはやってはいけない
・地域の会合は絶対に出席しなければいけない
・同居でなければいけない
・結婚したら妻も農業をやらなければいけない
・ローンを組んではいけない
・おカネは個人のものでなく家族のモノ
などなど
今思えば謎ルールだらけだ。
なぜこのような価値観に縛られていたのかと言えば
親の影響である。幼少のころから植え付けられた価値観。
その人の価値観。つまり何を大事にするか
何を優先するかを「価値観」と呼ぶ
私の場合は上記のことを優先する思考だった
・日が暮れてから仕事はしてはいけない
⇒おそらく近所からあの家は仕事がさばけないから夜遅くまで仕事をしてるんだって言われないように
・朝早く農場に行かなければならない
⇒おそらく近所からあの家は頑張り屋さんって思ってもらうため。農場に行っていないとサボっていると思われるため
・農協の言うとりにしなければならない
⇒地域の農家は農協の組合員であり、営農指導員が上で自分たちはそれに従うのがセオリーだったため
・近所から後ろ指刺されることはやってはいけない
⇒違う意見があっても大きく反対の声を上げると村八分されるので自分の意見より秩序を乱さないことが良しとされていた
・地域の会合は絶対に出席しなければいけない
⇒村の決まり事は集会で決まる。もし出席していなければ欠席裁判が行われ無実の罪(噂)を着せられる
・同居でなければいけない
⇒農家の貧しい暮らしをさせるのは家族の協力のもとにある。そのために生活を分けることは経済的にマイナスになる
・結婚したら妻も農業をやらなければいけない
⇒農家は人件費を勘定しない。働く労力は無償で提供するのが掟。当然嫁は労力としてあてにされている
・ローンを組んではいけない
⇒現金収入の少ない農業では収穫期が決まっておりそのおカネを蓄えそのおカネを切り崩しながら営む。定期的な支出は悪である
・おカネは個人のものでなく家族のモノ
⇒家業である農業は山下家のためにある。そこで得たおカネはすべて家族のものでありそのおカネの使い道はすべて家督が握る
今の若い農家にはピンとこない話が多いかもしれませんが
これらすべて農家農村の価値観です
地域、近所、組合、家族という視点ですべてが決められていた世界でした。
私は息苦しかったので次のように変えました
・日が暮れてから仕事はしてはいけない
⇒夜できる仕事は夜やった
・朝早く農場に行かなければならない
⇒仕事するときは誰よりも早く農場へ行く。いかないときは全くいかずに休む
・農協の言うとりにしなければならない
⇒農協組織から脱退した
・近所から後ろ指刺されることはやってはいけない
⇒近所に迷惑のかかることでなければ気にしないで自分の信じたことやる
・地域の会合は絶対に出席しなければいけない
⇒スケジュールが合えば行く。別件があればいかない
・同居でなければいけない
⇒別居した
・結婚したら妻も農業をやらなければいけない
⇒妻は自分のやりたい仕事をさせた
・ローンを組んではいけない
⇒必要に応じて現金で払うより月々払う方が良い場合は迷わずローンを組む
・おカネは個人のものでなく家族のモノ
⇒仕事に必要なおカネと生活に必要なおカネ。親のカネ、自分たちのカネ。すべて分けた
というように
人生は一度だけです。見えない鎖をはずしましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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