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コラム 2020.07.03
【農業コラム】農業はお化けではない
現在私が執筆させていただいております
熊本日日新聞 夕刊 「一筆」に連載中のコラムをお届けします 6月26日付
いよいよ最終回となりました。ご愛読いただきありがとうございました
最後のテーマはこちらです
農業はお化けではない
「農業は大変らしいよ」「いや農家はもうかっているらしい」「これからは農業の時代なんだって」
「いや高齢化でダメになるんじゃない?」…。まるでお化けか幽霊のように、人によって見方や捉え方、
イメージが全く異なる不思議な「農業」。
これまで農業をやっている人を、「休みなく泥まみれで汗水流して働く人」と思っていた人も多いかもしれません。
そのイメージこそが農村の嫁不足や後継者の離脱を招いてきました。しかし、
農業は正しく経営をやればちゃんと利益を出せるし、経済的にも豊かな人生を歩むことができます。
だから、農家を弱者と決めつけて過度に同情する必要はなく、
農業がもうかると思って安易に始めるものでもありません。
他の産業と同じように生産と販売と経営をきちんと行い、求められる食材やサービスを供給できる者は生き残り、
時代に対応できない者はリタイアするのです。
私たち農家は、これをちゃんと理解しています。でも農家の多くはアウトプットが得意ではなく、
あまり言わないだけ。実は楽しくしたたかに農業をやっているんです。中には、
周りが「農家は大変だ大変だ」って言うから大変なふりをしている人もたくさんいます。
だって、その方が無難で都合がいいから。
どうすれば農業で経営が成り立ち、地域を活性化できるのか―。
農家全体の数が減り続ける中で、ビジネス感覚に優れた若手は逆に増えています。
いずれ農業がお化けでも幽霊でもなくなる時代が来ると信じています。