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コラム 2020.05.26
【農業コラム】言霊のチカラ
現在私が執筆させていただいております
熊本日日新聞 夕刊 「一筆」に連載中のコラムをお届けします 5月22日付
一筆⑧「言霊のチカラ」
「農業は今、非常に厳しく、大きな曲がり角を迎えています」。
私が就農した当時、いろいろな会合で役所や農協の偉い方が口にしていた言葉です。
それから30年以上経過しますが、今でも枕ことばのように同じ言葉が使われています。
日本では古来、言葉には現実をつくり出すパワーが宿っていると考えられてきました。
それが〝言霊〟です。現に厳しい、厳しいと言われてきた日本の農業は案の定、厳しく、
厳しくなっています。
家庭でもそうです。「この子はだめなのよ」「出来が良くないの」と言えば、
その子はそうなります。「うちにはお金がないから」って育てれば、お金のない子に育ちます。
「あなたはできる。天才だ」って育てれば、必ず良い子に育つものです。
言葉って大事です。私が30代の頃、過剰な投資で経営に行き詰まっていた時に、
近くの農家さんから「大丈夫、必ず良くなるから頑張れ」と励まされました。
その一言で元気になり、前を向いて困難を乗り越え、何とか経営を回復させることができたのです。
あの時のあの一言で変わることができました。ですから言葉には言霊が宿っていると信じています。
農業参入コンサルタントとして仕事する上で「ことば」には気を付けています。
ときには厳しく、ときにはモチベーションが上がるようにお世辞も言います。
言葉に現実を引き寄せる強い力があると信じ、私は農家の方に次の言葉を投げかけたい。
「農業は非常に重要な産業として、今よりもっと期待される仕事になります」