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ブログ 2020.12.27

脳を耕せ!農ビジセミナー「メール講座」第72号

パプリカの町に生まれ変わる奇跡

いつもご覧いただきありがとうございます。

農業パーソナルトレーナーの山下弘幸(やましたひろゆき)です。

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今回は、「パプリカの町に生まれ変わる奇跡」についてお話します。

 

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【はじめに】

 

福岡県の田川市にて3年前から新規農業者のパプリカ栽培研修を行っています。

田川市と言えば炭鉱の町で有名です。

 

繁栄を極めた炭都は三井炭鉱。

明治の後半より昭和まで日本の成長に欠かせない石炭を産出してきた町です

しかし、

昭和30年代に始まるエネルギー革命の波には抗えず、三井田川鉱業所は昭和39年に閉山、そして昭和45年には、市内からヤマの灯が消えました。(田川市ホームページより引用)

https://www.joho.tagawa.fukuoka.jp/kiji00351/index.html

その町で黒いダイヤに代わる新たな特産品として

取り組み始めたのが「パプリカ栽培」です

現在、

市役所の近くに研修施設(連棟ハウス20a・単棟ハウス20a・研修棟)を建てて

2017年からパプリカ栽培で自立経営を目指す人材の育成を行っています

 

3年間の研修期間中、同施設で栽培・販売・経営を学び

地域に根差した農業経営者を育成するのが狙いです。

 

私も市から委託を受け研修施設建設から研修プログラム作成、

指導育成に携わらせていただいています

 

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【新規農業者の壁】

2021年からはいよいよ第2期生の研修が始まります。

先日は、1期生から2期生に研修施設の受け渡し式がありました

 

新規農業者が全国で毎年5.6万人就農しています

この状況は10年くらい続いています。

 

なるほど。ってことは10年間で農業者は56万人増えたんですね

 

いいえ、10年間で農家の数早く50万人ほど減っています

 

え?それってどういうこと?

 

そもそも毎年就農している5.6万人のうち44歳以下は

1.6万人です。

 

更にそのうち1万人は雇用者としての就農になります

※農林水産基本データ集より

https://www.maff.go.jp/j/tokei/sihyo/index.html

 

つまり、44歳以下の就農は約6千人程です

 

農業後継者、新規農業者、親元就農者も含めたこの数字の中に

今回の田川市の研修者も含まれます

 

この新規農業者が

これから自立して農業をやっていける人はどれくらいいるのでしょうか?

 

残念ながら生き残りが少ないのが実情です。

 

私は、この新農業者を育成するのをテーマとしています

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【栽培技術】

新規農業者が自立して農業をやっていく上でそれを阻む壁は大きく5つです

 

  • 栽培技術
  • 販売営業
  • 経営スキル
  • 管理能力
  • セルフイメージ

 

ではこの壁を乗り越えるにはどうすればよいか?

私が実践している方法と合わせてご紹介します

 

まず、栽培技術

これには「ソラ・アメ・カサ」が不可欠です

ソラ・アメ・カサとは

西の「ソラ」を見上げると、どうやら黒い雲がかかっていてやがて「アメ」が降り出しそうだ。だから「カサ」を準備しよう。

 

というように、観察、洞察、そしてそのためにどのような行動をとるか

ということです

 

栽培技術は「転ばぬ先の杖」を「いかに突くか」で決まります

 

栽培している野菜に病気が発症してから対処するのでは遅すぎます

 

観察して、記録をつけ、これから起こるかもしれない自体に前もって対処しなければなりません。

 

その対処こそが「栽培技術」なのです

 

私の指導のポイント:結果に対応するのではなく事前に予測して対処する

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【販売営業】

販売営業のやり方で多くの農家が間違っているのは

販売営業を「売り込み」と混同している点です。

売り込みは一番やってはいけないこと。逆にやらなければいけないのが情報開示です

いつから・何が・どれくらい・いくらで

この4つのキーワードを提示しなければいけません。

 

しかし、農家の方はこの4つが「言えない」

特に、出荷可能な時期、量、値段があいまいです。これを言うだけで取引先は

その条件に似合った売り方をサポートしてくれます。

 

私の指導のポイント:いつから・何が・どれくらい・いくらを言える農家になろう

 

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【経営スキル】

農家に多いのが、経営は営農と思っていることです

営農は経営ではありません。

経営とは利益の追求。営農は農家の暮らしの追求です

新規農業者に経営感覚、経営スキルを上げてもらうに実践しているが

数値管理です

生産、販売、収支、原価計算、損益分岐点、キャッシュフローなど

すべて経営に必要な数字を「数値管理」できるように指導しています。

 

多くの農業者、新規農業者はここで挫折します。

この数値管理を怠り、農業は儲からないって

自分が経営スキルの足りなさを棚に上げてすべて農業が悪いって

農業のせいにして農業業界を去っていきます。

 

しかし、これらは、これまで営農指導しかできていなかった農業業界にも問題が

あるのかもしれません

 

私の指導ポイント:数値化する

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【管理能力】

農業を就職としてはじめるのではなく、就農として自立農業、自営農業を始めるのであれば

管理能力は不可欠です。

 

私たちは子供のころから管理されることに慣れてきました。学校でも、部活でも、会社でも。

しかし、農業を始めるとなれば経営者になるわけですから

「管理される立場」から「管理する立場」に変わります。

 

ここに大きな戸惑いや違和感を覚える人が多いのです。

まずは自分の管理。すべてにおいて自己責任ですべてにおいて自分が

判断、決断、実行の最終決済者になります。

 

すべて親の言うなりになってきた人や、会社勤めが長かった人が

独立してうまくいかないのは管理ができないから

更に、雇用を始めるなら自己責任において他人も管理しなければいけない。

 

そうなると、栽培、販売、経営どころではなくなります

 

ヒトを雇い始めてひっ迫している農家がたくさんいるのは

管理能力が低いから

自分で「いつまでに何をする」を決めさせる。そうやって自分を律することが出来なければ

農業経営はできません

 

私の指導ポイント:計画を立てさせる

 

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【セルフイメージ】

最後にセルフイメージです

農業者の多いのがセルフイメージの低い人です。

 

俺なんか、農業くらいしかできない・・・

俺にはこのくらいがちょうどいい・・・

どうせ農業は・・・

俺は農家だから・・・

 

最悪のセルフイメージですね。

 

農業は自営業です。

 

自営業とは自ら描いた人生を生きることできる

 

「切符」を手にしたわけです

 

 

申し訳ないけれど、サラリーマンには手に入らない

切符です

 

その切符はあなたの思いをなんでもかなえてくれる

「魔法の切符」なのです

 

あなたがやりたい人生、やりたいこと、欲しい富、

なんでもかなえてくれるその「切符」を

 

手にしていることすら気づかず、その切符に願いを込めることすらしない

 

なんてもったいないことか・・・

 

社会の情報、世間の声に流されて

どうせ、農業は儲からないとか、農業はきついだけとか、災害だったからしかたがないとか

出来ない理由、できなかった自分を正当化しているようでは

それこそ人生きついだけです

 

農業という仕事、職業、生き方を選択したのであれば

農業で幸せになる方法を考える

農業で人を喜ばせる方法を考える

農業で幸せになる人をたくさん生産する

 

そう考えるべきだと思います

 

私の指導のポイント:農業でワクワクしてくる人生をイメージさせる

 

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【まとめ】

最後までご覧いただきありがとうございました

 

今年12月に第1期生が3年間の研修を終えて自営農家として独立していきました。

 

3年前全くの素人だった方がりっぱなパプリカを生産し、

経営者らしく来年の夢を語っている姿を見て

ホッとしています。

 

さあ、来年からは次の研修生に新たな農業マインドを伝えていこう

そう決めています。

 

地味な活動ですが、

新規農業者が農業というフィールドで幸せになれるように。

そして

田川市が炭鉱の町から「パプリカ」の町に変わる奇跡を信じて。

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